女優の吉高由里子(36)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は3日、第42話が放送された。話題のシーンを振り返る。
<※以下、ネタバレ有>
「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。
第42話は「川辺の誓い」。三条天皇(木村達成)との覇権争いを繰り広げる中、藤原道長(柄本佑)の体調に異変が起きる。一方、まひろ(吉高由里子)は里帰り中、藤原賢子(南沙良)がケガをした双寿丸(伊藤健太郎)を連れているところに出くわし…という展開。
長和元年(1012年)。三条天皇は藤原妍子(倉沢杏菜)を中宮、藤原彰子(見上愛)を皇太后、長年連れ添った藤原すけ子(すけ=おんなへんに成)(朝倉あき)を皇后とした。道長は術中に落ち、抗えなかった。
妍子は宴三昧。三条天皇は中宮の元へ渡らない。一条天皇(塩野瑛久)と彰子の間を取り持った「源氏の物語」だが、もはや役に立たない。道長の相談に、まひろは「物語は人の心を映しますが、人は、物語のようにはいきませぬ」――。
「もの思うと 過ぐる月日も 知らぬ間に 年も我が世も 今日や尽きぬる」(最愛の妻・紫の上を亡くした主人公・光源氏が詠んだ“辞世の歌”)。まひろは「源氏物語」第41帖「幻」を書き終えようとしていた。
夜。まひろは月を見上げながら「物思いばかりして、月日が過ぎたことも知らぬ間に、この年も我が生涯も、今日で尽きるのか」(心の声)。道長が局を訪れると、もぬけの殻。本文のない「雲隠」の巻名だけ書き残し、まひろは実家に戻った。
道長は病に倒れる。顕信の受戒(仏の定めた戒律に従うと誓う儀式)に参列しようと、馬に乗ったまま比叡山に入り、僧に石を投げられた祟りか。道長は辞表を返され、病を喜ぶ怪文書も出回った。
百舌彦(本多力)が「実は、殿様のお加減がおよろしくなく…」とSOS。まひろは宇治の別邸を訪ね、運命の出会いを果たした時のように、やつれた道長と川辺を歩いた。
道長「おまえは、俺より先に死んではならぬ。死ぬな」
まひろ「ならば、道長様も生きてくださいませ。道長様が生きておられれば、私も生きられます」
道長は咽び泣いた。
まひろは筆を執る。賢子に「終わったの」と告げた「源氏の物語」の執筆を再開。それは、主人公・光源氏亡き後の続き、第42帖「匂兵部卿(匂宮)」――。「源氏物語」第3部がスタートした。
巻名のみ伝わる「雲隠」。「幻」と「匂宮」の“空白の8年”の間に、光源氏は天に召されている。
「雲隠」と書き置きし、まひろ自身が内裏から姿を消し“雲隠れ”。また「雲隠」を目にした途端、道長の頭に痛みが走り、その後、死の淵をさまよう展開。SNS上には「『雲隠』って、まひろ自身のことだった?」「まさか『雲隠』で道長が体調を崩すなんて、何の因果か」「『雲隠』したまひろによって道長くんの生きる気力がほぼゼロになり、瀕死。しかし、まひろによって生きる気力がフルチャージされる回。もう、まひろがこの世を動かしていると言ってもいいような」などの声が上がった。
次回は第43話「輝きののちに」(11月10日)が放送される。