J1新潟はPK戦の末に惜敗したルヴァン杯決勝から一夜明けた3日、デンカビッグスワンスタジアムでサポーター感謝イベント「サンクスフェスタ2024」を行った。PK失敗で試合後に号泣したFW長倉幹樹(25)は、サプライズ企画でPKに再挑戦。サポーターからもチャントや声援を送られ、残留を争うリーグ戦へと気持ちを新たにした。
PK再挑戦のサプライズに戸惑いの表情を浮かべた長倉に、サポーターから「ゲットゴール、ゲットゴール」のチャントが響いた。右足で放ったシュートはど真ん中に決まり、両手を挙げて喜びを表現。胴上げで宙を舞い、会場に足を運んだ約1万人のサポーターからも拍手が湧いた。
「ありがたかった。チームメート、監督、サポーターも温かい声をかけてくれて、自分が落ち込まないように気を使ってくれた。本当に優しい」
イベントには特別指定のDF稲村を含め、名古屋との死闘を終えたばかりの選手、スタッフ全員が参加。ルヴァン杯準優勝の影響もあって、参加したサポーターは昨年の約6000人から1・7倍に増え、借り物競走などで選手と触れ合った。
名古屋戦後に涙が止まらなかった長倉は、選手入場時やトークショーでひときわ大きな声援を受けた。サプライズは閉会式。松橋監督からMIPと発表されると、いつの間にかピッチ中央に用意されたゴールでもう一度PKをやろうと司会から提案された。
実は事前に選手たちが企画したもので、松橋監督がボールをセット。1本目は促されて決勝のPK戦と同じく右に蹴り、ポストに直撃したが、やり直しの2本目はきっちりと決めた。
2日夜は「ぼーっとしていた」と言い、さまざまな感情が入り交じっていた。しかしイベント後は、サポーターからもらった手紙を握りしめながら「元気をもらえて良かった」と白い歯を見せた。
今季は残り3試合。9日にはアウェーで残留を争う柏との一戦を迎える。期待のストライカーは「より自分自身がやらないといけないと思っている」と、結果で恩返しすることを誓った。