◇SMBC日本シリーズ2024第6戦 DeNA11―2ソフトバンク(2024年11月3日 横浜)
もう左足の痛みは関係ない。マウンド目がけて走り出した。DeNA・オースティンの1メートル88の大きな体は、歓喜の輪に消えた。笑顔で小刻みにジャンプして、喜びを分かち合った。
手負いの大砲は、不安を抱えながら「4番・一塁」でスタメン出場した。10月26日の第1戦で自打球を左足甲に当て、第2戦は欠場。敵地での3試合はDHで先発出場を続けた。だが、第5戦までの4試合で1本塁打を含む13打数6安打、打率・462、2打点と好調をキープ。移動日と雨天順延を挟んで「足の面に限って言えばポジティブ。守備に不安もない。It’s all right(大丈夫)!」と大一番に臨んだ。
初回に三ゴロ併殺打の後、2打席連続三振も、5回2死満塁では背中への死球で押し出しとして7点目を生み出した。続く筒香の二塁打では痛む足で一塁から激走し、一気に生還。球団26年ぶりの日本シリーズ2桁得点となる10点目のホームを踏み、この回でお役御免となった。
レギュラーシーズンでは106試合に出場し、来日5年目で初めて規定打席に到達。打率・316で初タイトルの首位打者を獲得し、リーグ3位の25本塁打、69打点をマークした。日本シリーズでも存在感を示した助っ人は、来季も欠かせない戦力。今季が総額8億5000万円規模の3年契約最終年だが、球団が4年目のオプションを行使して残留となる見込み。単年で5億円規模の契約が予想される。