育成からはい上がった男が、1年で支配下契約を切られた。ソフトバンク仲田慶介外野手(25)が4日、来季の戦力外を告げられた。今春に育成から支配下選手登録を勝ち取った。1軍戦は24試合出場で14打数3安打(打率・214)だった。育成再契約を打診されたが他球団へのオファーを待つために、まずは保留した。
目に涙をためながら言った。「今年、死に物狂いで支配下つかんで、また育成ホークス。自分的にはその気持ちでやるのは厳しい。他球団のオファーを待つ、いったん保留して、待つ。声がかからなければ育成。ちょっと声がかかるのを待つ」。涙をぬぐうたびに、時間が空いた。
両打ちで強肩かつ快足。捕手以外のすべてのポジションを守れるオールラウンダーが売りだった。21年ドラフト14位で入団。全球団のラスト指名者、128番目の男としても注目された。小久保監督からは練習の虫と言われ、期待されてきた。
「来季、育成で契約と言われました。ちょっと驚いている。言葉が正直、出ない。そんな気持ちです」と悔しさがこみ上げてきた。 みずほペイペイドームは、実家からは自転車で通える距離にある。早良区出身の福岡市民。福大大濠から福岡大に進み、幼少期からホークスを見てきた。
「地元の球団で活躍したいしまた、変わらず練習はします。もう1度、はい上がってやるという気持ちもあるりたい」。複雑な思いからの、涙だった。