◇第49回社会人野球日本選手権2回戦 西部ガス7―3TDK（2024年11月4日 京セラD）
西部ガスがTDKに競り勝ち、6度目の出場で初の8強入りを決めた。
“恐怖の9番”が打線をけん引した。「9番・中堅」の園田恵大が、4安打3打点と躍動。チーム初の8強入りの立役者となった。
「とにかくボールに食らいつくという思いでやっているだけなので。確かに打撃練習とかは状態がいい打球もいっていますが、それよりも“食らいつく”という意識があるから調子がいいのかなと思います。とにかく塁に出るという思いで。9番という打順を意識してやっています」
4回だ。1点を奪って、なおも1死満塁。左中間へ大飛球を放つと、50メートル走6秒1の俊足を飛ばして一気に三塁を陥れた。走者一掃の3点三塁打を放ち、リードを一気に5点にまで広げた。この日は3回先頭の第1打席で投手内野安打、6回1死の第3打席で右翼線二塁打。あと本塁打が出ればサイクル安打という状況で迎えた5―3の8回先頭でも中前打を放った。快挙こそ逃したものの、園田の一打から打線がつながり、2点を追加。追いすがるTDKを、再び突き放した。
これで初戦のJR東日本戦の第2打席から7打席連続安打となった。同戦の第1打席は犠打だったため、今大会は全打席安打で、まだ一度も凡退がない。その存在感は、際立つばかりだ。
松薗史敏監督も新人の活躍を「きょうも、1、9番がいい仕事をしてくれました。（園田は）止まらないですね。持っていますね。あそこ（4回の）でセンターオーバーは大きかった」と称えた上で「飛ばす力は持っていますが、正直、ここまで打つとは思っていなかった。なんとか出てくれて上位につないでくれたら、と思っていましたが、予想を上回る活躍をしてくれている」と喜んだ。創部初の8強入りには「うまくいきすぎですね」と目を細めた。
「チームとしては日本一になりたい、とずっと言ってやってきている。次の相手は強豪のトヨタ自動車さんですが、勝てるように。一戦必勝の思いで、みんなで頑張りたい」と園田。“恐怖の9番”は、言葉に力をこめつつ、高みを見据えた。