東京六大学野球の秋季リーグ戦は4日、2回戦1試合が行われ、負ければ優勝の可能性が消滅する明大は6―4で法大に競り勝ち、優勝戦線に踏みとどまった。楽天にドラフト1位指名を受けた主将の宗山塁内野手(4年)は2安打で歴代リーグ7位の通算118安打とし、早大・岡田彰布(前阪神監督)の117安打を超えた。9日から始まる早慶戦で慶大が2連勝した場合、明大、早大で優勝決定戦が行われる。
これが最後かもしれない。2点リードの9回2死から遊撃前へのゴロを宗山が舞うように処理した。大学最後のリーグ戦がゲームセット。試合後、応援団による伝統のエール交換を目に焼き付けた。
「この4年間、凄く成長をさせてもらった。これまでを振り返って感慨深かった」
1年春から駆け抜けた4年8シーズン。負ければ早大の優勝が決まる大一番で、4回に同点に追いつく右翼フェンス直撃の適時二塁打を放つなど2安打1打点。リーグ通算安打は歴代7位の通算118に伸ばし、早大・岡田彰布を1本上回るも、「(プロで)もっと、もっと打ちたい」と未来だけを見据える。
明大ではリーグ戦3連覇も経験。「20年に1人の遊撃手」と称され、10月24日のドラフトでは5球団の1位競合で楽天がクジを引き当てた。法大との最終カードは地元・広島県三次市から家族も駆けつけ、ネット裏で見届けた父・父・伸吉さん(49)は「お疲れ様でしたと言いたい。まだ次があるかもしれないので準備だけはしてほしい」とねぎらった。
父の語る通り「次」の可能性が残った。9日からの早慶戦で慶大が2連勝すれば明大―早大で優勝決定戦。「良い結果を待ちたい。そこから先はこれまでの経験を生かしたい」と宗山。早大との一騎打ちを信じている。(柳内 遼平)
▼楽天・沖原佳典スカウト 普通にできれば言うことのない選手。チームの柱、将来的には侍ジャパンの中心選手になってほしい。