米老舗データサイト「ベースボール・レファレンス」は3日(日本時間4日)、今季の最も検索された選手のランキングを発表し、ドジャースの大谷翔平投手(30)が2年連続の1位に選ばれた。選出は21、23年に続き3度目だが、驚きの数字はページビュー(PV)時間。371万6965分に及び、世界中で時間にして6万1949時間、2581日分と、実に7年間に及ぶ時間閲覧したことに。今月は21日(同22日)に3度目の満票選出が有力なMVPなど、またも受賞ラッシュに沸きそうだ。
371万6965分――。一瞬では理解できないほどの時間、世界中が「Shohei Ohtani」とタイプし、その成績を眺め続けていた。ベースボール・レファレンスの最も検索されたランキングは2年連続3度目のトップに立ったが、PV時間でも当然トップ。日数で表すと2581日分となり、実に7年以上に及ぶ。
今季の大谷は本塁打だけでなく、特に7月以降に盗塁数を激増させた。8月23日に6人目の「40―40」(40本塁打、40盗塁)を、史上最速の出場126試合目で達成。06年アルフォンソ・ソリアーノ(ナショナルズ)の147試合を大幅に更新すると、前人未到の数字への挑戦が大きな注目を集めた。その後、史上初の「50―50」を突破すると、最終的に数字を「54―59」にまで積み上げた。本塁打と130打点で打撃2冠。まさに打撃成績の各種「スタッツ(記録)」が注目されたシーズンで、記録的な閲覧を世界中から集めた。
同サイトは最も閲覧された一日についてもトップ3として紹介し、トップは6月18日に死去したウィリー・メイズさんの、その翌日の19日のメイズさんのページ。2位が大谷が3本塁打10打点で「50―50」を達成した9月19日の翌20日の大谷のページだった。月ごとの最多閲覧選手では、ドジャース移籍を決めた昨年12月と、今年の5、9、10月でトップに名を連ねた。
昨年に続く「閲覧王」の座に輝き、今後は受賞ラッシュが予想される。12日(日本時間13日)の打撃のベストナインに相当するシルバースラッガー賞に始まり、14日(同15日)には最優秀打者であるハンク・アーロン賞と、最優秀DHのエドガー・マルティネス賞、オールMLBチームが発表予定。いずれも受賞が当確とみられ、21日(同22日)には3度目の満票受賞が有力なMVPが控える。
昨年9月の右肘手術の影響で野手一本ながら、記録的な数字を残して初のワールドシリーズ制覇まで駆け抜けた。終始一貫して「今年は自分の数字がどうのこうのと気にする余裕がない。記録は最後に振り返れば、それでいいと思う」と目の前の一戦に集中してきた。その結果が形として報われる時。21、23年を上回るような受賞ラッシュが本格的に始まる。
▽ベースボール・レファレンス 00年に発足した大リーグの老舗データサイト。多くの球団広報やメディアが引用する。06年に他スポーツのデータも扱う形で「スポーツ・レファレンス社」となり、現在はNFL、NBA、NHLなどのデータも掲載する。MVP投票で重視される選手の貢献度を表す指標「WAR」は独自の算出がされており、同社のWARと、別のデータサイト「ファングラフス」のWARの2つが代表的に扱われている。