レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(23)は3日、敵地のセビリア戦で今季3点目となる先制点を決めて2―0の勝利に貢献した。参戦6季目のスペイン1部で通算25得点とし、アジア出身選手として単独最多に浮上。15日からのW杯アジア最終予選でも活躍が期待されるアタッカーが節目を刻んだ。
久保が強烈な一撃で流れを呼び込んだ。前半34分、右サイドから自ら持ち込むと、左足でゴール左を打ち抜いた。あまりの鋭さにGKを含めた相手5選手は反応できず、ぼうぜんとボールを見送った。
「自分自身に(10点満点で)8点を付ける。勝利に貢献するゴールも決めたし」と久保。リーグ戦3戦ぶりの先発で定位置の右サイドに入り、前半3分にカットインからシュートを放つなど序盤から再三好機を演出した。後半35分に退くまで攻撃陣を引っ張って勝利を支え、今季2度目のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
ノティシアス・デ・ギプスコア紙は久保に対し、自己採点を上回る9点と採点し「(相手には)致命的。ソシエダの攻撃で最も決定的な武器」と評価。アス紙も「久保は悪魔。交代まで相手守備陣は大混乱。魔法のつえで得点した」と称えた。
久保はバレンシア自治州を中心に多数の死傷者を出した豪雨被害にも言及した。19~20年にマジョルカで指導を受けたモレノ監督(現オサスナ)は被災地出身。恩師を気遣い「とても心配。日本でも以前、同じようなことがあった。苦しい時間を過ごした人々にお見舞いを伝え、亡くなった方々にお悔やみを申し上げたい」と語った。
この日のゴールでスペイン1部通算で25得点とし、06~12年にオサスナで活躍したイラン代表MFネクナムをかわしてアジア出身では単独最多に浮上。そして、プレーに加えて被災地に寄り添う姿勢も示した。名実ともにアジアを代表する選手の振る舞いだった。