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阪神・青柳 今オフにメジャー挑戦 球団もポスティング容認か「マイナー(契約)からでも」

スポニチアネックス 2024年11月5日 5時16分

 阪神の青柳晃洋投手(30)が、今オフにポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指すことが4日、分かった。最多勝など初の個人タイトルを獲得し、東京五輪で金メダルを獲得した21年のオフから将来的な米挑戦の意向を伝えており、球団も容認する可能性が高い。ポスティングでのメジャー移籍が実現すれば、球団では22年オフにアスレチックスに移籍した藤浪以来3人目。マイナー契約も覚悟し、不退転の決意で夢を追う。

 30歳の青柳が大志を胸に夢を追いかける。3年前から憧れを抱いてきた大リーグの舞台に、ポスティングシステムを利用して挑戦する。

 「(21年に)初めて個人タイトルを獲って、東京五輪も経験した時ぐらいからアメリカ、メジャーで投げてみたい…挑戦したい気持ちを持ってきました」

 21年、アマチュア時代を含めても初の国際舞台となった東京五輪で日本代表の一員として金メダルを獲得。独特の緊張感と強い責任感を持って上がるマウンドは得がたい経験で刺激的だった。同年は、最多勝と勝率第1位の2冠。より高いレベルを意識するのも自然な流れだった。

 その年のオフに初めて球団にメジャー挑戦の意向を伝えた。即容認とはならなかったが、翌22年は2年連続の13勝で最多勝、勝率第1位、最優秀防御率の「投手3冠」に輝くなどフル回転。継続してメジャーへの強い思いを球団には伝えており、チームがリーグ優勝、日本一を達成し自身は8勝を挙げて貢献した昨オフも、夢を諦めていないことを改めて伝えていた。

(クオータースローを武器に/) 球団も数年にわたり抱いてきた青柳の思いをくんで、ポスティングシステムでのメジャー挑戦を今回は容認する可能性が高い。青柳自身は、メジャー契約が最大目標ではあるものの、「マイナー(契約)からでも挑戦する」と強い覚悟を持って海を渡る決意を秘めている。

 9年目の今季は2年連続で開幕投手を務めたものの、6月から2カ月以上の2軍暮らしを経験するなど2勝(3敗)、防御率3・69にとどまった。それでも、1年目から大きな故障もなく、体力の衰えは全く感じていない。何より、日本球界でもまれな変則投法で、下手と横手の中間にあたる自称「クオータースロー」は米球界でも大きな武器になり得る。

 10年目を迎える来季に国内フリーエージェント(FA)権を取得する可能性も高かった中での新たな挑戦には、家族の後押しもあったという。「自分の知らない環境で一からやってみたい気持ちが今は強い」。アマチュア時代はほぼ無名でドラフト5位からはい上がってきた右腕の闘志に今、大きな火がともっている。

 ≪球団施設でトレーニング「いい方向に進んでいる」≫

 青柳はこの日、甲子園の球団施設でトレーニング。母校の帝京大で動作解析の測定を受けたことを明らかにし「測定してみて、取り組んできたことがいい方向に進んでいることが分かった。感覚をこのまま継続していきたいと思っている」と手応えを語った。今季は2軍で過ごす時間が長かったが、「ふがいない気持ち、悔しい気持ちはもう関係ない。体の使い方を継続して、もっと良くするだけ」と強調した。

 ◇青柳 晃洋(あおやぎ・こうよう)1993年(平5)12月11日生まれ、神奈川県出身の30歳。川崎工科から帝京大を経て15年ドラフト5位で阪神入団。19年から先発に定着し、21年から2年連続で最多勝と勝率第1位のタイトル。22年は最優秀防御率を含む3冠。23、24年の2年連続で開幕投手を務めた。21年開催の東京五輪日本代表。1メートル83、83キロ。右投げ右打ち。

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