【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】今月行われる野球の国際大会「ラグザス presents 第3回プレミア12」に出場する韓国代表は10月24日に合宿練習を開始。その初日、柳仲逸(リュ・ジュンイル)監督は開口一番、「先発投手と4番打者をどうするかが悩みです」と話した。
翌日の25日、韓国シリーズを視察した野球日本代表・侍ジャパンの井端弘和監督にその話を向けると、「ウチもですよ」と言ってメンバーの入れ替えについて明かした。
侍ジャパンは28日、出場4選手の変更を発表。伊藤大海、万波中正(日本ハム)、吉川尚輝、岡本和真(巨人)が故障で辞退となった。しかし日本の選手層は厚く、井上温大(巨人)、清宮幸太郎(日本ハム)、村林一輝(楽天)、桑原将志(DeNA)の実力者が新たに加わっている。
一方の韓国は大会初戦の13日が直前に迫る現時点で、まだメンバーが確定していない。投手陣のレベルが拮抗していて見極めが続いていることと、故障回復待ちの選手いるからだ。
韓国は11月1、2日に行われたキューバ代表との強化試合(評価戦)に35選手を登録。大会エントリー28人には7人を削る必要がある。
柳監督の頭を悩ませている1人が左打ちの内野手、金栄熊(キム・ヨンウン=サムスン)だ。金栄熊は高卒3年目の今季28本塁打を記録。柳監督は「長打力があり欠かせない選手」と話す。
金栄熊は井端監督が視察した韓国シリーズ第3戦に7番・三塁で出場。左腕のエリック・ラウアー(KIA)から高い放物線を描く、打球角度38度の高弾道弾を右中間スタンドに放り込んだ。井端監督は視察後、「(韓国は)下位打線でもホームランが打てる選手がいる」と認識を新たにした。
しかし金栄熊は現在、右肩痛を訴えている。柳監督は「故障から回復せず6日の練習試合に出られないようだと、エントリーから外さないといけない」と話している。
韓国は昨年から将来を見据えた代表チームの世代交代に着手。若手中心でメンバーを構成している。絶対的な中心選手がいない中で柳監督は「対戦相手に合わせた戦い方をしてベスト4を目指したい」と話した。
プレミア12は12の国と地域が参加。オープニングラウンドは6チームずつ2グループに分かれて行われる。日本と韓国は同組のグループB。オーストラリア、キューバ、ドミニカ共和国、チャイニーズ・タイペイと総当たり戦を行い、6チームのうち上位2チームがスーパーラウンドに進出する。