現役引退を発表したソフトバンクの和田毅投手(43)が5日、福岡市内で記者会見を行った。
「私、和田毅は今シーズンをもって引退します。まだ、たくさんの方からメールとか電話いただいて、全然返信とかもできていないんですが…まだ連絡できていない方々もたくさんいるんですが、この場を借りて伝えさせていただきます」とあいさつ。
会見中、終始涙はなく、清々しい表情で心境を語った。
引退について「最近決めたわけでもなく、ずっと前から。ある程度、固まってきたのは今年の7月過ぎくらいですかね。妻にも7月には伝えていたので。ここまで皆さんに知られずにこの日を迎えられて、自分としては本当に良かったなという思いはあります」とし、決め手となったのは「さかのぼれば19年の時から。5年前くらいから自分としては肩の痛みと戦いながら投げていて。18年に投げれず、19年に復帰できたけれど、その年から5年間、ダメになったらやめようという気持ちを持ちながら毎シーズン戦っていた」と述べた。
また「その中で、ホークスで選手としての役割というのがだんだん終わりを迎えているのかなと。5年間少しずつ出てきて。今年は特にそれを強く感じて。それよりも、選手ではない立場でホークス、そして野球界に貢献できるといいますか、勉強する時間にあてたいなというのがそっちの方が比率が高くなってきた。その比率が完全に上回ったのが今年だった」と決断に至った理由を語った。
「今年は、膝の痛みや腰…股関節の痛みという報道がありましたけど、実は内転筋の肉離れだった。中継ぎで投げている時も肩の痛みを抱えながら、注射を何回も打ちながら投げていた部分もあった。決断したからなのかわからないが、どんどん体がボロボロになっていってるなあと今シーズン最後の方は投げながら感じていた」と満身創痍だったことを明かした。
和田は昨秋に就任した小久保監督から開幕ローテーション入りを確約され、本拠地開幕戦を任されたものの、負傷により回避。今季は先発で2勝に終わったが、シーズン終盤では救援としてプロ初ホールドを記録するなど存在感を示していた。
ただ、ポストシーズンへ向けた10月13日の実戦形式マウンドで左足を痛め、CSファイナルS、日本シリーズでは登板がなかった。球団側は来季も戦力として評価していたが、日本シリーズ終了翌日の4日に和田から引退の申し出があり、チームも了承した。
2002年自由獲得枠でダイエーに入団。03年の1年目には14勝で新人王となり、日本シリーズでは胴上げ投手となった。10年には最多勝とMVPを獲得。16年にも最多勝、最高勝率に輝く。12年からはメジャーにも挑戦し、現役22年間で165勝を挙げた。
1989年に誕生のダイエー入団では最後の現役選手だった。