ポストシーズン(PS)で大車輪の活躍を見せ、ドジャースの4年ぶり世界一に貢献したトミー・エドマン内野手(29)の生い立ちを5日、韓国メディア「朝鮮日報」が報じた。
エドマンはメッツとのナ・リーグ優勝決定シリーズでMVPに輝くなど、PSは全16試合に先発出場し、打率・328、2本塁打、13打点と勝利に貢献。打撃だけでなく内外野を守れることから遊撃、中堅をこなし、打順も5番から9番まで幅広くこなし存在感を発揮した。
母親が韓国人で、昨年3月のWBCでは韓国代表としてプレー。「朝鮮日報」は母の母、エドマンの祖母にあたるデボラ・クァク(韓国名チョン・テフ)さんに電話でインタビュー。孫の世界一に「誇りに思っている」と喜んでいるという。
エドマンはミドルネームに「賢洙」(ヒョンス)という韓国名が入っており、これはエドマンの母・キョンア(モリン・エドマン)さんが希望したことから「賢明で優れている」という意味と「洙」が川という意味を持つことから「速い」という意味も込めて名付けられた。
祖母クァクさんによると、エドマンは幼少期から「特別な才能のある子供で勉強も野球もよくできた」という。実際に小学生で野球を始めると、スタンフォード大に進学。数理計算科学を専攻し、卒業評価3・82はスタンフォード大野球部100年の歴史で最も高い評価だったそうだ。
クァクさん自身も韓国の名門・高麗大学を卒業後、チェース・マンハッタン銀行ソウル支店の創立メンバーとして勤務。獣医師である夫、2人の娘とともに1977年にロサンゼルス近郊に移住。銀行員の経験を生かし、米国でも金融関係の会社で働いた。
エドマンの母であるキョンアさんは学校で夫のジョン・エドマン・ジュニアさんと出会い、結婚。エドマンの父であるジョンさんもウィリアムズ大野球部出身で、現在は数学の教師と野球部のコーチを兼任。ジョンさんの父、エドマンの祖父にあたるジョン・エドマン・シニアさんは自動車大手ゼネラルモーターズの金融関連会社GMACで会長まで務めた人物だった。
また、エドマンの兄であるジョニーさんは大学卒業後、MLBのツインズで戦力分析員として勤務。妹のエリスさんもコンピューターサイエンスを専攻し、MLBのカージナルスで働いた後、現在はIT会社に勤めている。理系一家でありながら、野球が共通の“専攻”だった。
クァクさんはエドマンがプロ野球選手になる際、「(ワールドシリーズ制覇の)優勝リングを2つはもらわないと」と激励したそうで、今回のドジャース世界一に「誇らしい」と大喜び。「とても多才な子。もし(選手生活を終えたら)監督として選手を指導して、素晴らしい旅を続けて」と願った。