◇NBA グリズリーズ131-114レーカーズ(2024年11月6日)
NBAは6日、各地で行われ、グリズリーズとツーウエー契約を結ぶ河村勇輝(23)がデビューから6戦目で待望の初得点を挙げた。本拠地で開催されたレーカーズ戦に第4Q残り1分56秒から途中出場。残り33秒にファウルを受けて獲得したフリースローを2本とも沈めた。レーカーズの八村塁(26)は体調不良で欠場。試合はグリズリーズが131―114で勝った。
デビュー6戦目に待望の瞬間が訪れた。初得点までの通算出場時間は12分41秒。河村が自ら獲得したフリースローを2本とも冷静に沈めた。過去5試合で放ったシュートは4本。すべて3点シュートで外していた。この試合は出場直後に2点シュートを打ったが、失敗。NBA6本目のシュートでついにリングを射抜き「フリースローは得意な方なので、もらった時点で決められると思った。初得点はうれしかった。特別な瞬間だった」と喜びをかみしめた。
話題性抜群のルーキーとのマッチアップだった。コートに立った1分23秒後の第4Q残り33・9秒。レブロン・ジェームズの息子ブロニー・ジェームズにドリブルを仕掛けて左右に揺さぶった。粘り強くドリブル突破を狙いファウルを獲得。持ち味の俊敏性を生かし、得点機会を勝ち取った。Bリーグ時代は身長1メートル73ながら攻撃的ガードとして得点を量産し、23~24年シーズンは1試合平均20・9得点。世界最高峰リーグではゴール付近の攻略に苦戦しているが、出場機会の限られる中で糸口をつかんだ。
得点の瞬間はチームの看板選手であるモラントも喜びを爆発させた。第3Q途中に負傷交代したが、試合終盤に控室につながる通路に登場。河村のフリースローが決まると、痛めた足を気にしながらファンの大歓声に乗って跳びはねた。河村は「チームメートにも点を取りに行けと、試合前に言われていた」と仲間のサポートに感謝。試合後はチームメートがサインした初得点の記念ボールをプレゼントされ「僕の宝物」と笑みを浮かべた。
NBAデビュー戦で得点できなかった日本人は河村だけ。ようやく階段を上がり「僕の旅はまだまだ始まったばかり。今日の2分間のプレーでも反省すべき点がいっぱいある。そういったところに目を向けながら、日々成長していきたい」と気を引き締め直した。目標の本契約へチームに溶け込むことが不可欠。同僚、ファンのつくった祝福ムードが何よりの明るい材料だ。
▽過去の日本人NBA選手の初得点 河村以前の3人全員がデビュー戦で初得点をマークしている。田臥勇太(サンズ)は04年11月3日の開幕戦ホークス戦に第4Q残り10分からコートに立って初出場し、フリースローで初得点。3点シュートを決めるなど7得点を挙げた。渡辺雄太(グリズリーズ)は18年10月27日の開幕5戦目のホーム・サンズ戦に第4Q残り4分31秒から出場。自ら獲得したフリースロー2本を決めた。八村塁(ウィザーズ)は19年10月23日のマーベリックスとの開幕戦に先発。開始2分36秒にゴール下に入り込み初得点を記録した。14得点10リバウンドの“ダブルダブル”を達成。先発でNBAデビューした唯一の日本人だ。(所属は当時)