ダウンタウンの松本人志(61)が女性に性的行為を強要したと報じた「週刊文春」の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして5億5000万円の損害賠償などを求めている訴訟を巡り、所属する吉本興業を通じて裁判の終結と自身のコメントを発表した。
本件においては8月14日に予定されていた第2回弁論準備手続きが今月11日に延期となっていた。弁論準備手続きが延期となり、年をまたいだ長期戦も予想されていた。
この日、吉本興業は「弊社所属タレント松本人志の代理人弁護士より、本日、一部週刊誌報道に関して提起した損害賠償請求等訴訟について、裁判を終結した旨の連絡を受けましたので、お知らせいたします」と、裁判の終結を報告した。
松本の代理人弁護士らは、「当職らは、松本人志氏を代理して文藝春秋ほか1名を被告とし、松本人志氏の名誉を回復すべく、訴訟活動を継続してまいりました。しかしながら、この度、被告らと協議等を重ね、訴訟を終結させることといたしましたので、ご報告いたします」と経緯を記した。
また松本自身は所属事務所を通じた文書で「なお、報道関係者の方々におかれましては、偏向報道と受け取られる可能性のある内容や事実に反する内容を報道することがないよう、適切に対処されたく、念のため申し添えます」とした上で「これまで、松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました。そのうえで、裁判を進めることで、これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました」と思いを告白。
「松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます」と謝罪した。
また「尚、相手方との間において、金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様です。この間の一連の出来事により、長年支えていただいたファンの皆様、関係者の皆様、多くの後輩芸人の皆さんに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫びいたします」とファンへも謝罪し「どうか今後とも応援して下さいますよう、よろしくお願いいたします」と呼びかけ、「弊社といたしましては、関係各所およびファンの皆様にご心配とご迷惑をおかけしましたこと、改めてお詫び申し上げます」と重ねて謝罪した。
なお、吉本興業は「松本人志の活動再開につきましては、関係各所と相談の上、決まり次第、お知らせさせていただきます」とした。
松本は週刊文春との裁判に注力するため1月から活動を休止中。今後は、芸能活動再開の時期などに注目が集まる。
【松本と文春の裁判の経過】
▽昨年12月27日 文春が松本の女性への性的行為の強要を報道
▽同日 吉本興業が、記事は客観的事実に反するとして「法的措置を検討」と抗議コメント。文春は「記事には十分な自信」と反論
▽1月8日 吉本興業が松本の活動休止を発表。松本はSNSに「事実無根なので闘いまーす」と投稿
▽22日 松本個人で文春の発行元・文芸春秋などを提訴
▽3月28日 第1回口頭弁論
▽6月5日 弁論準備手続き
▽7月11日 松本の代理人が会見。告発者であるA子を提訴する可能性を示唆
▽8月14日 2回目の弁論準備手続きが延期
▽10月8日 2回目の弁論準備手続きが11月11日に決定