アニメ「フランダースの犬」の主人公の少年ネロの声などを務めた声優の喜多道枝(きた・みちえ、本名・纓片道枝=おがた・みちえ)さん6日、東京都の自宅で死去した。89歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は長男真王(まお)さん。
これまで数々の作品に出演した喜多さん。高い声から低い声までさまざまな声を使い分ける神業の持ち主として、その実力が幅広いファンからもたたえられていた。
訃報を受け、SNSでは「喜多道枝さん逝去…時代がまた一つ幕を閉じた」「フランダースの犬では少年ネロと大型犬パトラッシュとの触れ合う場面が染み付いて心に残りました」「何年前か忘れたが、1人8役の吹替みて凄いなと思ったな。喜多道枝さんのご冥福をお祈りします」「喜多道枝さんは多くの人に愛されてきた声優でした」など悲しみの声が広まっている。
喜多さんは1935年3月11日生まれ。劇団仲間、劇団四季、東京演劇集団「TES」、ユニオンプロ、プロダクション・エムスリーを経て希楽星に所属していた。
ネロ役で有名な世界名作劇場「フランダースの犬」では、番組企画内でアロア、ジョルジュ、ポール、アロアの母、ネロの祖父、ヌレットおばさん、ナレーター役も演じ分けたことも有名。「オバケのQ太郎」「鉄腕アトム」「リボンの騎士」「怪物くん」「巨人の星」「タイムボカン」「美味しんぼ」など数多くの作品を変幻自在の声色で彩った。
また声優としてだけでなく俳優としても活動。大河「翔ぶが如く」、「長男の嫁」「をかける少女」「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」などテレビドラマ出演のほか、栄華や舞台、そしてナレーションなどでも活躍した。