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片岡愛之助 12月1日から京都南座「吉例顔見世興行」 「上方の役者にとってはやはり…」

スポニチアネックス 2024年11月9日 8時2分

 歌舞伎俳優・片岡愛之助(52)が、大忙しだった2024年を京都南座での「吉例顔見世興行」(12月1~22日)でしめくくる。出演するのは藤娘から鬼へと5変化する「大津絵道成寺(おおつえどうじょうじ)」(昼の部)に怪談舞踊の傑作「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)かさね」(夜の部)の2本。

 「大津絵…は3度目ですけど、周りの方々が変わるのでフレッシュな感じですし、僕自身も楽しみにしてます。役者って不思議なもんで、同じ演目でも回を重ねるごとに気付きがあるので新鮮な感覚」と、久々に挑む本格的な女形にも力が入る。

 愛之助にとって南座での顔見世は特別な存在だ。1981年(昭56)12月、前名の片岡千代丸で歌舞伎役者として初めて立ったのがこの顔見世の舞台だった。「歌舞伎役者として産声を上げた土地であり、上方の役者にとってはやはり京都の顔見世は特別なものなんです。だから何年たっても気持ちが引き締まりますね」と話す。

 昨年の12月31日も今年の正月も舞台に立っていた。歌舞伎俳優としては異例のことだ。「後にも先にもこんな年はないと思う」ほどめまぐるしい2024年だった。それでも愛之助は「一生修行なんで。先輩から教わり後輩に伝え、今の時代を感じながら歌舞伎は作っていかないと」と使命感を漂わす。

 妻で女優の藤原紀香(53)は「お互い刺激し合えるありがたい存在」と感謝する。藤原が出演する舞台「罠」は「ここ5年、見た芝居の中で一番面白かった」というほど。実は彼女は、その直前まで「カルメン故郷に帰る」に主演しており、ハード過ぎるスケジュールに出演を迷う時期もあったそうだが、愛之助が「“絶対やった方がいい”って僕も言ったんです」と背中を押した。「カルメン…だって、僕が出てる劇場(新橋演舞場、松竹座)に妻が座頭で出るなんて思ってもみなかったから。不思議やな、と思いますよ」。うれしそうに話す表情は誇らしささえ漂っていた。

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