6人組男性アイドルグループ「SHOW-WA」が念願のNHK紅白歌合戦出場へ向けてラストスパートをしている。今月2日に奈良、翌日は富山でのイベントと飛び回った。奈良で行われた「2024歴史の道・韓日文化ハンマダンin NARA」ではトリを務め、アンコールでは会場が総立ちになるほどの人気。グループ最年長で料理研究家としても活躍する寺田真二郎(41)は「前日から並んでいただいたお客さんもいらっしゃったみたいで、盛り上がりも素晴らしかったです」と感激した。
6人は昨年6月に開催された「夢をあきらめるな!男性グループオーディション」に応募。3000人以上が挑戦する中を勝ち抜いた。これに並々ならぬ意欲で臨んだのが塩田将己(32)だった。「会社員をやりながらインディーズで8年くらい音楽活動をやってたんです。オーディションを受けようにも25歳以下の応募条件ばかりであきらめかけていたのですが、募集を見たときはこれだ!と思いました。だから会社を辞めて受けました」
同じく背水の陣で受けたのは井筒雄太(33)。応募前はカメラマンなどテレビの技術を担当していた。「5歳のころから芸能人にあこがれていたんですけど、引っ込み思案な性格で、裏方の仕事が自分に合ってると思ってしまっていたんです。でもカメラ越しにタレントさんの姿を見ていると、どんどん欲求が高まって」と、映す方から映る方を目指す決意をした。
青山隼(36)は6人の中でも最も異彩を放つ経歴だ。元Jリーガー。名古屋グランパス、セレッソ大阪、浦和レッズなどを渡り歩いた。「サッカーはどんなに泥臭くても勝てばいいという世界。ファンの人を感動させることに集中するエンターテイメントの世界は大きく違います。ただ、グループとして輝くために6人の役割分担を考えるという意味では、サッカーの経験は役立ってると思います」と他のアイドルにはない強みを持っている。
プロデュースはアイドル業界の巨匠・秋元康氏。そのため、デビューに至るまでは当然のように課題を課せられた。フジテレビ系昼の情報バラエティー「ぽかぽか」との連動企画で、今年3月30日のイベントに1000人動員したらデビューという条件だった。本格始動は今年に入ってから。今も続く「ぽかぽか」のエンディングで歌を披露し始めたが、元タレントの運転手で現在はモデルや俳優も行っている山本佳志(36)は「最初は17人でした。でも、メンバーの友人とかが11人見に来てくれていたので、実質6人でした」と苦笑いした。
そこから着実に認知を広め、ファンを増やし、運命の日にはノルマの倍を超える2156人を動員してみせた。
秋元氏がノルマを達成したグループに贈ったメッセージを、元歌手でリーダー的存在の向山毅(36)は胸に刻みつけている。「君たちは1ミリ先にあるものをしっかりつかんだ。努力だったり、あきらめない気持ちを持っていたからこそデビューできた。これからもガムシャラに目の前にあることを全力で取り組んでほしい、という言葉をいただいたんです。それはずっとぼくの心の中にあると思います」。
今年の最大目標は「NHK紅白歌合戦」への出場。山本は「やることは全部やったという思いです。これで選ばれなくても、また来年頑張ろうと新しい闘志がわくと思う」と、“人事を尽くして天命を待つ”の心境だ。最年長の寺田は「夢を勝ち取ったぞ!となりたいですね。また次の夢に行くぞ!となれば最高です」と、どん欲に語っていた。(江良 真)