女優の吉高由里子(36)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)のコンサートが9日夜、東京・初台の東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアルで行われ、まひろ/紫式部役の吉高と赤染衛門役の凰稀かなめ(42)がゲスト出演した。「大河ドラマ『光る君へ』コンサート~沼ル音楽会~」と題し、ドラマの名場面とオーケストラによる音楽で作品の世界観を再現。約1600人の観客が酔いしれた。放送期間中の音楽イベントは大河初の試み。吉高は平安大河の黒髪から茶髪姿に“変身”して登場した。
「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。
メーンテーマを手掛けるなど「光る君へ」の音楽を担当する作曲家・冬野ユミ氏が今公演の音楽監督。1911年創立と日本最長の歴史を誇るオーケストラ・東京フィルハーモニー交響楽団が演奏。アンコール2曲を含め、全26曲が名シーンとともに披露され、場内からはすすり泣きが聞こえることもあった。
吉高は冒頭とエンディングに登場し、チーフ演出の中島由貴監督らとともにトークを展開。オープニング後は客席に座り、観客とともに約2時間半のコンサートを堪能した。凰稀は曲間をつなぐ朗読の“大役”を果たした。
吉高は役柄にちなんだ紫色のドレスに身を包み、髪の長さの半分ほどを茶色に染めたポニーテール姿で“イメチェン登壇”。劇中は黒髪だったが、関係者によると10月25日のクランクアップ後、気分転換のため髪色を変えたという。
冒頭、「終わったようで、続いている感じです」と撮了後2週間の心境。「ワクワクしています。泣かないように我慢したいです」と語った。エンディングで再び登壇し「沼りました。音楽あっての名場面でした」と生演奏に感激し、冬野氏に感謝した。
最後は「あと6回の放送になり、寂しいです。名残惜しい作品になったのは皆さんのおかげ。最後まで見届けていただけるとうれしいです」と観客にも感謝した。
100曲以上ある劇中曲の多くは、放送で長く使われることがない。公演プロデューサーが「折角、作曲された曲。生のオーケストラで、ドラマの終盤、音楽とともに名シーンを振り返りたい」という思いから企画した。
チケットは10月19日に一般発売され、即日完売の人気。コンサートの模様は12月8日(後5・00~5・58)に総合テレビで放送される予定。