◇侍ジャパン強化試合 日本7―1チェコ(2024年11月9日 バンテリンD)
若き侍が、停滞を打破した。栗原の左犠飛で勝ち越した直後。2―1の6回2死一、二塁で、阪神・森下が左前適時打を放った。右腕トメクの投じた初球スライダーを、持ち前の積極性で仕留めてみせた。
「少ないチャンスをものにできた。強化試合とはいえ、1本出てホッとしています」
森下の一撃が打線を勢いづけた。続く7回には辰己が3ランなど5安打を集めて4得点し、7―1とリードを広げた。前半5回までの2併殺の拙攻がウソのように、一気に流れを引き寄せた。
「前の打者もうしろの打者も素晴らしい選手なので、僕はノビノビと打たせてもらっています。勝負強さは僕の持ち味だと思っています」。今季の打率・275に対し、得点圏打率・351。その勝負強さは、日の丸を背負っても健在だ。2回1死の中前打を含め、2安打1打点。満点スタートとなった。
舞台が大きくなるほど本領を発揮する。昨年11月の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」でも11打数5安打の打率・455、1本塁打でベストナインに選出された。注目度が高まるほど、力を出せる頼もしさがある。
「侍ジャパンのユニホームを着たら身が引き締まりますし、もっとやってやろうという気持ちになります」。13日のオーストラリア戦から始まる1次ラウンドでも、森下が打線の中心を担う。