◇第104回全国高校ラグビー福岡県大会決勝(2024年11月9日 ベスト電器スタジアム)
決勝が行われ、東福岡が筑紫に80―5で勝利し、25年連続35回目の優勝を決めた。12トライと攻撃陣が躍動。高校日本代表候補のCTB深田衣咲(いさ、3年)が2トライを挙げ貢献した。12月27日に開幕する全国大会(東大阪市花園ラグビー場)で2大会ぶりの日本一を目指す。
危なげなく25連覇を達成した東福岡を引っ張ったのは、前回大会の花園決勝で唯一スタメンだった深田だ。33点リードの前半29分は右サイドを個人技で持ち上がりトライを決めると、後半15分には左サイドで相手を華麗なステップでかわし追加点を挙げた。チーム一番という50メートル6秒0の脚力を生かし「ランは得意。自信を持ってやっている」と胸を張った。
昨年度の花園は準優勝。メンバーがほとんど入れ替わった中で3月の選抜大会は1回戦で目黒学院に24―28で敗れた。深田は「どこかで勝てるだろうという自信がチームにあったと思う」と指摘する。6月の全九州大会では決勝で大分東明に12―45で完敗。コロナ禍で中止を挟んでの8連覇を逃した。前チームは12人いた高校日本代表候補はわずか2人と前評判は決して高くない。この日の決勝にも1、2年生7人がスタメンに名を連ねるなど下級生の力も借りながらチームづくりをしてきた。藤田雄一郎監督は「伸びるキャパはまだある」と進化を期待する。
今季のチームスローガンは「咲」だ。深田は「最後に花を咲かせればいいかな」と思いを代弁した。花園では11大会連続でベスト4以上の成績を残している。年明けの満開を目指し総仕上げに入る。 (杉浦 友樹)