大リーグ公式サイトがこのオフメジャー移籍を目指す巨人・菅野智之投手(35)について、FA市場で注目される先発投手の1人として特集している。
菅野は卓越したコントロールとマウンド上での冷静さを持ち合わせている。球種は直球、シンカー、カットボール、スライダー、カーブ、スプリットと6種類で、直球の球速は90マイル台前半程度。決め球はスプリットで、スライダーとカットも多用し、左打者に対してはスライダー、右打者にはカットを多く投じる。
近年は奪三振数は特に多くはないが、奪三振/与四球比率は優れていて、卓越した制球力を反映している。24年は111奪三振に対し、与四球はわずか16で、三振/与四球比率は約7対1。対戦した打者のうち四球を与えたのはわずか2.6%、一方で18.6%の打者から三振を奪っている。
メジャーでの役割は先発ローテーションの中盤以降になりそうだが、これまでもNPB出身のベテラン投手がメジャー移籍後に大きな成功を収めた例はある。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のイノ・サリス記者は、菅野は、黒田博樹や岩隈久志といった投手と比較できると指摘している。
黒田、岩隈は30代でメジャーリーグに移籍し、ともに素晴らしいキャリアを築いた。黒田は08年に33歳でMLBに移籍し、ドジャースやヤンキースで7シーズンをプレーし、防御率3.45。全シーズンで防御率4.00未満を維持し、6シーズンで100奪三振以上、うち4シーズンで150奪三振以上を達成した。200イニング以上を3回投げた。
岩隈は12年に31歳でメジャーに移籍し、マリナーズで6シーズンプレー、防御率3.42。13年にはオールスター選出、サイ・ヤング賞の候補にもなり、14勝6敗、防御率2.66、185奪三振だった。15年8月12日にはノーヒットノーランも達成した。菅野が黒田や岩隈のようなキャリアを築くことができれば、多くの球団にとって非常に価値のある補強となる。