◇プロボクシングWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦(2024年11月9日 米フィラデルフィア ウェルズファーゴ・センター)
プロボクシングWBC世界スーパーフライ級王者ジェシー・“バム”ロドリゲス(24=米国、帝拳)がWBC世界同級暫定王者ペドロ・ゲバラ(35=メキシコ)を3回2分47秒TKOで下し、団体内統一を達成した。
立ち上がりからプレスをかけ、3回に左ストレートでダウンを奪取。再開後も、強烈な右アッパーで再び相手をリングに沈め、KO負けがない相手を難なく下した。
これまでカルロス・クアドラス(メキシコ、帝拳)やフアンフランシスコ・エストラダ(メキシコ)ら新旧世界王者を倒し、“レジェンド・スレイヤー(英雄殺し)”と呼ばれる2階級制覇王者は、米専門誌リング・マガジンのパウンド・フォー・パウンドで7位に位置するなど、この勝利で21戦全勝(14KO)となった。今後は元4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)との対戦を希望する一方で、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(26=M・T)との対戦の可能性についても言及した。(インタビュー・杉浦大介通信員)
――東海岸での試合は。
「間違いなくこれまでとは違った。雰囲気も違ったが、ブーツ(ジャロン・エニス)と一緒に今週を経験できたのはよかった。ブーツもすごい選手だから、ファイトウィークを彼とシェアできたのはクールなことだった」
――今後のプランは。
「エディ(ハーンプロモーター)が言うことならなんでも。115(スーパーフライ級で)統一戦がしたいが、それができなかったらそこでまた考える。身体が大きくなっているから、ずっと115では戦えない。統一戦ができなかったら階級を上げるだろう」
――再戦が噂されるマルチネス対井岡の勝者との試合がターゲットか?
「その試合がやりたい。私次第だったら、その試合が次になる。ただ、(この試合前も)エストラーダとリマッチができるかどうかをずっと待って、結局はできなくなった。ここでまたまたなければいけない」
――プレッシャーはあったか。
「今では毎試合ある。特にパウンド・フォー・パウンドにも入り、人々から多くのことを期待されるようになった。エディ(ハーン)が言った通り、昔の私ならここまでのパフォーマンスはできなかったかもしれない。今ではプレッシャーがあり、注目度が高まった。だからこういう試合ができた」
――統一戦か、チョコラティートのように名前がある相手のどちらが優先か。
「統一戦がやりたいけど、それができないのであれば、チョコラティート戦も理に叶う」
――サウジアラビアでの試合は?
「それができればすごいことだ。ロサンゼルスでのリヤド・シーズン興行は見に行ったが凄かった。その一部になれたらクールなこと。できれば未来に実現させたい」
――全ポテンシャルの何%くらいを発揮していると思うか。
「まだ全てではない。どのくらいかは分からないが、これまで見せてきたよりももっとよくなるのは間違いない」
――また日本に行くつもりか。
「また行くつもり。バケーションで行くつもりだ。ただ、(マルチネス対井岡を)見るためではない(笑)」
――統一戦を望んでいるが、再戦が噂されるマルチネス対井岡戦の予想は。
「またいい試合になると思う。今回は井岡がより賢明に戦うかもしれない。それができなったとすれば、第1戦と同じ結果になるだろう」
――スーパーフライ級であと何戦するつもりか。
「できれば統一戦を2試合行い、4団体統一王者になりたい。それが難しかったら、バンタム級に上げるだろう。時期的には2025年の後半までだと思う」
――バンタム級には多くの日本人王者がいる。
「バンタム級の王者はみんな日本人ボクサーだというのはわかっている。階級を上げたら日本で戦うことになるのだろう。バンタム級の王者であれば、どの選手との対戦でも構わない」
――評価の高い中谷の強さとは。
「とてもいいボクサー。強さがあり、リーチもある。(笑顔で)いい選手だ」
――来年階級を上げて中谷と戦う可能性もあるのか。
「メイビー(また笑顔)」
――依然としてアメリカ国内で期待感がある井上戦について。
「実際には体重の近い中谷戦の方が現実的だろう。井上は現在スーパーバンタム級で、来年にはフェザー級に上がってしまうかもしれない。現状では中谷戦の方が私には理に叶っていると思う」
――井上戦はファンタジーファイトと言ってきたが、「Never say never(絶対にないとは言わない)?」
「その通り。数年後までに同じ階級にいることがあれば、実現するかもしれない」
――現在の目標はSフライ級とバンタム級か。
「その通り。さっきも言った通り、まずは統一戦。それが難しければバンタム級への挑戦が当面の目標だ」