作家の平野啓一郎氏(49)が10日、自身のX(旧ツイッター)を更新。日本保守党の百田尚樹代表(68)が8日配信の番組で「30超えたら子宮摘出とか」などと語ったことを受けて私見をつづった。
平野氏は、百田氏の名前は出さなかったものの「SFだろうと譬え話だろうと、それを通じて、『言わんとするところ』があるわけで、その内容が、少子化を喰い止めるために女性の人権を著しく制限するなどということなら、非難されて当然だろう」と投稿。
百田氏は国政政党の代表であるとともに「永遠の0」「海賊と呼ばれた男」などのヒット作を持つ作家でもあるが、平野氏は「政治家であれば勿論、作家であっても同様。作品を通じて、そういうディストピアと対峙することとは意味が違う」と続けた。
百田代表は8日配信のYouTube番組で少子化対策を議論した際に「小説家のSFと考えてください」と前置きして「女性は18歳から大学に行かさない」「25歳を超えて独身の場合は、生涯結婚できない法律にする」「30超えたら子宮摘出とか」などと発言。
この発言がSNSで大炎上すると、9日には自身のXで「あくまでSF小説としての仮定としての一例としてあげた話です。現実にはあり得ませんとも断っています」「私は小説家として敢えてディストピアのSF的な例を出して、女性の出産年齢の適齢限界の話を喩え他にすぎません」と説明。自身への批判は「アンチの悪質な切り取り」とした。
その後「『やってはいけないこと』『あくまでSF』という前置きをくどいくらい言った上での『ディストピア的喩え』ではありましたが、私の表現のドギツさは否めないものがありました。不快に思われた人に謝罪します」と謝罪。この日、名古屋市で行った街頭演説でも「聞いていた人が不快に思うということで発言を撤回して謝罪します」とした。