◇明治安田J2最終節 横浜FC0-0山口(2024年11月10日)
明治安田J2リーグは10日、最終節の10試合が行われ、横浜FCが敵地で山口と0―0ドロー。3位長崎の猛追を振り切って自動昇格圏の2位を死守し、降格から1年でのJ1復帰を決めた。J1昇格プレーオフ(PO)出場権争いでは、仙台が大分を2―1で下して6位となり、長崎、4位山形、5位岡山とともにPOに臨むことになった。
試合終了のホイッスルが鳴ると、今季札幌から期限付きで加入し大車輪の活躍を見せたDF福森は肩の荷が下りたのか、その場でうずくまって大粒の涙を流した。ベンチ前では歓喜の輪が広がる。引き分け以上でJ1昇格が決まる大一番。最低限の結果で2位を死守した四方田監督は「今日も本当に苦しかった。出られない選手も含めチーム一丸でやった結果」と声を震わせた。
団結力が原動力だった。昨季から大きなメンバー変更はなかったが、ベテランFW伊藤らの発案で、勝敗に関係なく、例年以上に選手の決起集会を重ねた。伊藤は言う。「親睦を深めるとその選手のミスをカバーしてやろうとか、いいボールを出してあげようとか、そういう思いが芽生えてきてやっぱりチームになっていく」。効果はてきめんで、5月12日の熊本戦からはクラブ記録の20戦負けなし。あと1勝と迫ってから3戦連続で足踏みしたが、最後はリーグ最少失点27で終えた守備が踏ん張った。
ピンポイント補強も実った。J2に降格した昨季終盤戦に強化責任者が交代。難しいかじ取りを迫られたが、他クラブからオファーがあったMF井上ら戦力を維持しつつ、指揮官が札幌時代に指導した経験のある福森らの獲得に成功。福森は桐光学園の大先輩で、同じ左利きの中村俊輔コーチの指導もあり、セットプレーなどで自己最多の14アシスト。「戦術福森」はチームの大きな武器となった。
来季は再びJ1での挑戦が待ち受ける。目標は脱エレベーター。DFンドカは「昇格は最低限。J1で勝てるチームにしましょう!」とサポーターに訴えた。