◇東京六大学野球第9週最終日 慶大2―1早大(2024年11月10日 神宮)
2回戦1試合が行われ、慶大が2―1で早大に競り勝ち、2連勝で勝ち点2とし、リーグ戦が終了した。4番・清原正吾内野手(4年)は1安打で有終の美。巨人などでプロ野球歴代5位の525本塁打を放った父・和博氏(57)が見守る中、男泣きで大学野球に別れを告げた。今カードで1勝すれば、2季連続優勝だった早大は、あす12日に明大と優勝決定戦を戦う。
清原は泣いた。4回1死二塁では一塁へ頭から飛び込んだ二塁内野安打で好機を広げて同点を呼び、6回の二ゴロでも再びヘッドスライディング。気迫があふれ出た。1点差を守り抜いて仲間たちと抱擁し、感情が形になって頬を伝った。
「僕自身だけでは4年間やってこられなかったと思う。みんなに対して“ありがとう”という気持ち。試合が終わった後に思いがこみ上げてきて泣いてしまいました」
中学、高校のブランクを経て6年ぶり復帰で打ち込んできた大学野球は伝統の早慶戦2連勝で終幕。注目を集める進路は保留した。
「早慶戦に2連勝することだけを考えて過ごしてきたので、明日以降に自分と見つめ合って考えたい」
10月24日のドラフト会議で指名漏れ。今季からウエスタン・リーグに参入した「くふうハヤテ」や独立リーグ球団など計10球団からラブコールが届き、中には「年明けまで回答を待つ」というところもある。現実的な選択肢は(1)国内球団でプレーして来年ドラフトに再挑戦(2)野球を引退した上で1年留年して就職活動、の2つだ。
今カードでは来秋ドラフト候補の早大・伊藤樹から今季3号を放つなどバットを置くには惜しい才能。「腹に落とし込んで決めることができていない」と熟考の姿勢を示した。(柳内 遼平)
《優勝決定戦は14年ぶり》東京六大学野球の優勝決定戦は10年秋の早大―慶大(早大が10―5で勝利)以来、14年ぶり。今回が13度目。早大―明大の対戦は48年春以来で、76年前は早大が明大を5―1で破った。