◇大相撲九州場所2日目(2024年11月11日 福岡国際センター)
今場所「将軍」から改名した西三段目60枚目の若輝元(錣山部屋)が大翔樹(追手風部屋)を押し出しで破り、初陣を飾った。立ち合いから踏み込んで迷うことなく前に出る会心の勝利。勝ち名乗りを受けると館内の拍手を浴びた。「変化もあると思っていましたが、相手の動きについていけた。声援は有り難かった」と笑顔を見せた。
福岡県とは関門海峡をはさんで隣県の山口市出身。新しこ名は師匠(元小結・豊真将)からいただいた候補の中から、豊臣政権で五大老を務め長州藩の藩祖となった毛利輝元から取った。若輝元自身歴史には詳しくないというが、私生活でも「三本の矢」の毛利3兄弟に由来する小結・若元春に声をかけてもらうなど親しくさせてもらっていることにも縁を感じている。
「師匠からも“そろそろ変えてみるか”と言わ心機一転改めました。父が輝心(てるむね)、自分(本名・原田将輝)の名前にも輝が入っているので、決めました」。再出発の一番を白星で飾り「(部屋の兄弟子)阿炎関のように一日一番を心がけ頑張りたい」と述べた。
相撲界では毛利元就の息子から取った「若隆元」「若元春」「若隆景」の大波3兄弟が活躍中。「自分はまだ目標にする存在ではない」と謙そんするが、史実では輝元は隆元の長男に当たり、近い将来“父子対決”が実現するかもしれない。