◇大相撲九州場所2日目(2024年11月11日 福岡国際センター)
脊髄損傷からカムバックし、西三段目56枚目に番付を戻した元幕内・炎鵬(30=伊勢ケ浜部屋)が翠桜(出羽海部屋)を下手投げで下し、白星発進した。
立ち合いで低いもぐって左を深く差し込み、間髪入れずに投げ捨てた。「立ち合いから自分の流れでいい相撲だった。自分の相撲が取れた。毎回初日は一番緊張する。昨年は九州場所に出れなかったので帰ってこれたんだと。これまでと違った心境です」と安堵(あんど)の笑顔を見せた。
一時は歩行ももままらないほどの大ケガから名古屋場所で復帰し、3場所目。元幕内の力を発揮しているが「自ずと相手は強くなっていくけど、それ以上の稽古して自信を持っていけるかどうか」と冷静に受け止める。
秋巡業では10月6日の金沢場所にスポット参加した。「戻ってきてくれてありがとう」など地元の暖かい声援を受け「僕の方こそ感謝です。すごい力をいただいた。その人のためにも一日一日必死に頑張っていきたい。来年は関取で戻りたい」と決意を新たにした。