◇東京六大学野球秋季フレッシュトーナメント第1日 B組 明大5―10立大(2024年11月11日 神宮)
大敗した明大の中で「これはひょっとして」と思わせた投手がいた。3番手で登板した中村海斗(1年=明大中野)がその人。2イニングで2失点と内容だけみれば落第だが、1メートル88、90キロの長身。角度あるストレートは147キロをマークし、スライダーも独特の変化をみせる。まだ経験不足でカウントを悪くして置きに行ったボールを痛打されたが、体ができて経験を積めば主力投手にもなれそうな素材だ。
明大中野といえば来季から指揮を執る戸塚俊美助監督の直系の後輩となる。スタンドで観戦した同助監督は「まだ走る体力がないんですよ。投げるスタミナをつけないとね」と評価は厳しいが、その眼差しは温かい。本人も「初めは緊張したけど投げ始めたら普段の投球ができました」とスライダーで3三振を奪ってアピールはできた。同期にはこの日先発した林(山梨学院)、最後を締めた湯田(仙台育英)ら甲子園組が多くいて150キロを超える投手も全体で6、7人はいる厳しい環境。その中でベンチ入りするのはハードルは高いが「戸塚さんに認められるように頑張りたい」と決してへこたれていない。
長身から急激に変化する“ナイヤガラ・スライダー”とともにストレートを磨けば大化けする可能性は十分。来年中には戸塚新監督に「信頼してますよ」という言葉を言わせるつもりだ。