サッカー日本代表は11日、W杯最終予選のインドネシア戦(15日、ジャカルタ)に向け、現地合宿をスタートした。パリ五輪代表MF藤田譲瑠チマ(22)は10月シリーズに続く招集で、A代表では約2年ぶりの出場機会を狙う。また、所属クラブのシントトロイデンでもチームメートのDF谷口彰悟(33)が負傷離脱した中、先輩の無念の思いも背負って挑む。
雷雨の中、藤田は軽快に動いた。合宿初日から力強いシュートやパスで好調ぶりをアピール。移動の疲れを感じさせることなく調整し「今日は力が抜けていいシュートを打てていた。良い感覚のまま、この先もやっていければ」とうなずく。
10月シリーズで22年E―1選手権以来約2年ぶりに招集されたが、サウジアラビア戦とオーストラリア戦でいずれも出番なし。今回は同大会以来となる出場機会を狙い、今後のA代表定着を目指す。
「まずはチームの結果を求めながら自分のできること、自分の見せられることを全力でやっていきたい」
先輩の思いも背負う。今季から所属クラブでもチームメートの谷口が左アキレス腱を断裂したとみられ、今回の代表活動を辞退し「悔しかったと思うし、そういう気持ちは伝わってきた」と藤田。代表合流前には「しっかりと見せてこいよ。とにかく頑張って」と伝えられたという。
4~5月にパリ五輪最終予選を兼ねて行われたU―23アジア杯カタール大会中の感謝も胸に刻んでいる。藤田がU―23日本代表の主将として臨む中、当時カタール1部アルラヤンに所属していた谷口が宿舎と試合会場を訪れ激励。22年W杯で1次リーグ最終第3戦まで出番が回ってこなかった経験を基に「準備が一番大切」とチャンスが来るまでの心構えを力説してくれた。
「支えてもらっていたし、代表のところでも大きく貢献していた選手。凄く悔しそうな表情をしていたし、その分も頑張りたい」と藤田。出場機会をつかみ、A代表に定着することが何よりの恩返しになるはずだ。