【筑後のおじ鷹】右太腿裏の負傷で6月から約4カ月間、リハビリ組で過ごした柳田の傍らには、加入1年目でリハビリ組担当の有馬大智アスレチックトレーナー(35)がいた。2人は同学年。「“おまえに任せるから”ぐらいな感じだった。いい意味でプレッシャーをもらいながら(リハビリ)チーム全体でサポートしていこう」と強く思ったという。
高校を卒業後に専門学校に進学。授業の一環でトレーナーとしてソフトバンクの宮崎キャンプに携わった。熊本・八代高の大先輩にあたる当時の秋山幸二監督から「いい学校だね」と言われたことが思い出として残っている。その後は米国に留学し、ドミニカ共和国にあるパイレーツ傘下のアカデミーでトレーナーを3カ月務めたこともある。指導者が、狙った球なら三振しても怒らない姿に感銘を受けた。「正しいマインドで目標を持ってやっていれば、思い切りやっていいんだな」。野球選手のあり方、精神面の大事さなど学びが多かった。
シーズン終盤に1軍に復帰し、日本シリーズにも出場した柳田は顔を合わせると「ありがとう」と感謝の言葉をくれるという。「今リハビリにいる選手によりいいパフォーマンスで(来年)臨んでもらえるように」と思いをより強くした。
◇有馬 大智(ありま・だいち)1989年(平元)1月14日生まれ、熊本県出身の35歳。八代高から総合学園ヒューマンアカデミーに進む。卒業後に米国に留学。カリフォルニアにあるマーセッドカレッジで英語の勉強をしつつ、ネバダ大学ラスベガス校に編入して、アメフト部とパイレーツ傘下のアカデミーでトレーナーも務める。今季から現職。