「25年型小久保ホークス」の一端が明かされた。ソフトバンク小久保裕紀監督(53)が11日、筑後ファーム施設で野手が実施中の秋季キャンプを初視察。来季のレギュラーとして柳田悠岐外野手(36)、近藤健介外野手(31)、山川穂高内野手(32)を挙げた。さらに柳田の守備での負担軽減を図るために左翼に回し、近藤を右翼で起用すると明言。リーグ連覇へ向け、残る5ポジションの競争激化も期待した。
小久保監督がリーグ連覇へ向けた来季構想の一端を明かした。この日、筑後ファーム施設で行われている野手の秋季キャンプを初視察。来季のレギュラー3選手を明言した上で守備位置の変更にも言及した。
「レギュラーの話なら山川ファースト、ライト近藤、レフトプラスDHで柳田が全部出る人。もう本人にも伝えているよ」
日本シリーズ前に3選手に伝えたという来季のプラン。最大のポイントは両翼のコンバートだ。右脚の負傷で今季52試合の出場にとどまった柳田の守備での負担軽減を重要視した。右翼から左翼に回ることで一塁送球時のカバリングの負担がなくなる。指揮官は「ライトは送球のたびに走らないといけないし、ずっと走ってくれてた。年齢もあるし」と説明した。
若手の笹川に柳田のカバリングを見習うように伝えるほど、柳田は献身的に足を動かしていた。だが、37歳シーズンを迎える来季は「左翼・柳田」として期待する。これまで左翼守備は12年に1、18年に2、21年に1で計4試合と少ないが、負担が減ることで打撃面にプラスの効果が働くと期待している。一方、近藤は新しい主戦場となる右翼の守備には慣れている。21年の60試合など、通算165試合で右翼に就いた経験がある。
内野では一塁・山川だけがレギュラーを確約された。今季チームで唯一レギュラーシーズン143試合、ポストシーズン9試合の全試合に出場した。4番打者として完走し、打撃2冠にも輝いた。今季の開幕オーダーでは柳田、山川、近藤の順でクリーンアップに並んだが、「今の時点で考える人なんか、おらんやろ」と打順は今後に検討する。
捕手、二塁手、三塁手、遊撃手、中堅手の残る5ポジションは競わせる方針。「競争ですので、鼻息を荒くしてくれ。当然チャンスはある」と発奮を促した。「日本シリーズのことは語りませんよ。“敗軍の将 兵を語らず”です。それよりも(リーグ)2連覇が大事」。この秋から143試合の長丁場を戦い抜く態勢を整えていく。(井上 満夫)
○…柳田は外野のポジション別では中堅の932試合が最多。次いで右翼が343試合、左翼は4試合と最も少ない。近藤は左翼485試合、右翼165試合、中堅41試合の順。18年までの登録は捕手だったが、三塁(14、16、19年)、遊撃(14年)、一塁(21年)の守備も経験している。