東京六大学野球の秋季リーグ優勝決定戦が、12日に神宮球場で開催される。10日までの早慶戦で1勝すれば優勝だった早大が2連敗し、明大との大一番にもつれ込んだ。楽天ドラフト1位指名の明大・宗山塁内野手(4年)は主将として必勝と明治神宮大会出場(20日開幕)を誓った。
「Meiji」の宗山が東京六大学野球の舞台に帰ってくる。明大は決戦を翌日に控えた11日、東京都府中市内の練習場で午前練習。リラックスした表情で「もう一試合できることがうれしい。勝っても、負けても自分たちの試合で最後に決められるのは幸せなこと」と白い歯を輝かせた。
崖っ縁からはい上がった。4カード目で早大に2敗(1分け)して後退。5カード目の法大に2連勝し、3季ぶり優勝へわずかに残った可能性に懸けた。早大が慶大に2連敗し、舞台は整った。
10日の早慶2回戦はテレビで視聴。「本当に(慶大の)4年生の気持ちが見えた。自分たちも最上級生の力を見せたい」。リーグ最終戦を終えた4日には、1年春からレギュラーに抜てきしてくれた田中武宏監督が退任を表明。恩返しの機会も巡ってきた。
早大との優勝決定戦は48年以来、実に76年ぶり。勝てば、大学日本一を争う明治神宮大会にも出場できる。広陵(広島)出身の父・伸吉さん(49)や広陵・中井哲之監督に育まれ、常に謙虚な主将。キーマンを問われ、珍しく「自分です」と答えた。「自分が打てば点が入ります。勝負どころで結果を出したい」。最後は勝敗を背負う覚悟を口にした。(柳内 遼平)
▽東京六大学野球優勝決定戦要項 午後1時開始。頭文字が先の明大が先攻で三塁側。延長戦になった場合は15回で打ち切り。引き分けの場合は再試合。時間制限なし。再試合なら攻守とベンチサイドを入れ替え。チケットはリーグ戦と同様。予備日は13日。