九州場所の前相撲が12日、福岡国際センターで始まった。
名門の東海大柔道部の岡田(22=高田川部屋)が初土俵を踏んだ。一番相撲では出野(16=秀ノ山部屋)と対戦。頭から当たり、勢いよくはたき込み。プロで初勝利を挙げた。取組後の土俵下では左目をぶつけて、気にするそぶりをしていた。報道陣に囲まれると「土俵に上がって瞬間、景色が違った。高揚感が凄い」と丸い顔を丸くする。
取組には「体格差があったので相手が思ったより低くくて見てしまった。ぶつかるのはうまくいった。1週間ちょっとだが、稽古してきたことができた」とぶつけた左目を気にしながらも笑みがこぼれた。初めての土俵には「立って気づいたがちょっと違った。目の前に落ちてきてびっくりした」と苦笑い。
入門してからは「部屋の兄弟子たちが優しくて、いい関係がつくれている」と話し、とくに西十両8枚目の白鷹山から「手や足の連動とか教えてもらっています」といろいろ面倒を見てもらっているという。師匠の高田川親方からは「ケガだけはするな」とアドバイスされた。
入門のきっかけになった柔道の先輩で東京五輪100キロ級金ダリストのウルフ・アロン(28)も急きょ福岡入り。残念ながら入場券が完売し、直接観戦できなかったものの、会場の外で応援していた。録画を見て「立ち合いが少し遅かった。でもほんとにいいものを見た」と後輩の晴れ姿に笑顔。「前相撲はスタートダッシュが大事。気を抜かず、緊張しすぎずにリラックスした気持ちでやってほしい」とエールを送っていた。