俳優の齋藤工(43)が12日に都内で行われた、「映画『大きな家』日本外国語特派員協会上映会イベント」に出席。流暢(ちょう)な英語を披露し、自身が企画・プロデュースした作品について語った。
俳優業のみならず、映画監督やモデルなどさまざまなジャンルでの活躍を見せてきた齋藤。過去にも映画祭で高い英語力を披露していた。
日本外国特派員協会での会見は今回が初。「プロデューサーを務めました齋藤工です。この作品は、実話で子供たちのプライバシーを守りたいということで、映画については慎重にお答えしたい。英語力には限りがありますので、ここからは日本語で」と流暢な英語であいさつ。続けて、日本語で「なのでここからは日本語でよろしくお願いします」と笑顔を浮かべると、会場からは温かい拍手が送られた。
これまで社会で注目されずらかった児童養護施設に真正面からカメラを向け、その場の“ふつうの日常”を描いた本作。年齢を重ねるにつれて変化する子供たちの葛藤や、心の中を描いている。
齋藤が企画・プロデュースを担当。4年前に訪問した児童養護施設がモデルとなり、撮影後も個人的に何度も施設を訪問し、信頼関係構築に努めた。
施設の現状を目にして「施設の中の普通と施設外の普通に、大きなひずみが発生している」と感じたという。「登場人物たちの未来に向けてのお守り、サポートになるような作品になってほしいのが1番の願い。施設の中と外の日常のどこか共通点を結ぶことが期待したい機能」と語り、「この作品は、教科書的でも説教的でもなく、普通と普通を結ぶ作品。未来の希望につながる作品になれば本望。子供たちを支える職員方たちのホスピタリティ、親よりも親になろうとしている人たちの物語でもある」と齋藤。
「映画館でしか出会えない彼ら彼女に、多くの方に出会って頂いて。(児童養護施設の)普通を知って、ご自身の普通につなげていただけたら」と願いを込めた。
会見終了後には、テーブルに置かれた自身のネームプレートを笑顔で持ち帰った。