J1リーグは終盤を迎え、各チーム残り2、3試合となった。優勝や残留争いで盛り上がりを見せる中、混戦の各個人タイトル争いも佳境に入っている。今回は得点王、アシスト王の2つの部門に注目する。 (記録課・海鋒 宏樹)
得点王争いでトップに立つのが21得点のC大阪FWセアラ。3月の2節鹿島戦で今季初得点を挙げると、5月にはクラブで外国籍初の6試合連続得点を決めるなど、昨季12得点を上回りキャリアハイを更新している。PKでの5得点を除いた16得点は全てペナルティーエリア内からで、同エリアでのシュートは全体5位の58本。決定率28%はシュート50本以上の選手の中で最も高い。得点パターンは「セットプレーから」8、「クロスから」7がともに全体最多。また、自身4季目のJ1で初めて「ドリブルから」2得点マークしている。
2位の横浜FWロペスは9日の鳥栖戦で決勝点を挙げ、07年川崎FのFWジュニーニョ以来の2年連続20得点に到達した。得点王に輝いた昨季は22得点中、頭8、左足8、右足5、その他1と、どこからでも得点していたが、今季は左足が全選手最多の16、右足3、頭1と利き足での得点が目立っている。残り3戦でゴールを積み上げ、10、11年の名古屋FWケネディ以来の外国籍2年連続得点王を狙う。
アシスト上位は2差に5人と混戦模様。最多10アシストのC大阪MFフェルナンデスは、正確なキックが持ち味で、CKからのアシストが全選手最多の6、FK1と計7アシストがセットプレーから。半数以上の6アシストがセアラの得点に結びついている。PA内へのスルーパス成功+PA内からのクロス成功+ラストパスの合計値「チャンスクリエート数」も全体2位の108で、セアラの得点を生み出す重要なキーマンだ。同一チームから得点王、アシスト王が生まれれば、21年川崎Fのダミアン23得点、山根12アシスト以来となる。
8アシストで3位タイのG大阪FW宇佐美は今季得点でも9年ぶりの2桁で12得点を挙げている。得点+アシストの合計20はセアラの23(21+2)、ロペス22(20+2)に次いで3番目と今季好調なチームの得点源となっている。昨季の神戸FW武藤に続く得点、アシストのダブル2桁にも期待される。
混戦を抜け出すのはどの選手か。優勝争いとともに最終節まで、まだまだ目が離せない。