守備のベストナインを選ぶ「三井ゴールデングラブ賞」が12日に発表された。セでは4年ぶりのリーグ優勝を飾った巨人からリーグ最多の4人が受賞。坂本勇人内野手(35)は過去、遊撃部門で5度受賞し、今年は三塁部門で初受賞となった。パも4年ぶりに覇権を奪還したソフトバンクから初受賞4人を含むリーグ最多の5人が受賞を果たした。
今季の目標でもあったゴールデングラブ賞。今季から本格的に三塁にコンバートとなった坂本は「大変、光栄に思います。今年から新たにサードという守備位置に変わり、凄く獲りたいと思っていた賞ですのでうれしいです。より一層、精進してまいります」と素直に喜んだ。
これまでに慣れ親しんだ遊撃で5度、同賞を獲得しているが、18年目のシーズンで守備位置が変わり、再スタートとなった特別な一年だった。三塁で104試合に出場し、失策はわずか6。遊撃とは打球の質やスピードが異なる中、バント処理などで手堅い守備を見せ、チームの4年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。
チームからは菅野、吉川、岡本和も受賞。坂本のコンバートで一塁に回った岡本和は一塁部門で初受賞となり「これからも、みんなの送球を全てカバーできるように練習し、また選んでもらえるように頑張る」と誓う。二塁で好プレーを連発した吉川は8年目での初受賞に「ずっと目指していた賞なので本当にうれしい」と喜んだ。(川島 毅洋)
▼巨人・菅野(4年ぶり5回目)投げ終わったら9番目の野手という意識でプレーをしている。この先も、投げること以外のことにも重きを置いてプレーしていきたい。
≪DeNA・山本が初受賞 来季進化誓った≫7年目で初受賞のDeNA・山本は「一番獲りたかった賞。全ての方に感謝して来年はより進化したい」と喜んだ。今季は正捕手の座を奪い、強肩を武器に自己最多の108試合に出場。打率・291、5本塁打、37打点でリーグ3位に大きく貢献した。9月15日の広島戦で死球を受けて右尺骨を骨折し、ポストシーズンの出場はなかったが、飛躍を裏付ける朗報が届いた。
≪西武・源田7年連続「譲りたくない」≫7年連続7回目の受賞となった西武・源田は「毎年、素晴らしい選手が増える中、譲りたくない賞。今年も受賞できてうれしい」と話し「来年も守備からチームやファンの皆さまを盛り上げ、勝利に貢献できるよう頑張ります」と誓った。パの遊撃手部門では72~78年の大橋穣(阪急)に並ぶ最長で、最多タイ記録。来季も受賞なら同部門では両リーグ最長&最多の山下大輔(大洋)の8年連続8度目(76~83年)に並ぶ。
≪楽天からは2人 小深田初受賞 辰己4年連続≫楽天の二塁手・小深田が2位の外崎(西武)に121票差をつけ、5年目で初受賞。「自分の中で絶対に獲りたいと思っていた賞。来年以降も連続して獲得できるように頑張っていきます」と誓った。プロ野球新記録となる397刺殺をマークし、外野手1位の220票で4年連続4度目の選出となった辰己は「(ゴールデングラブ賞が)常に自分のベストを尽くすための原動力」と話した。
▼日本ハム・万波(2年連続2回目)毎年、目標としているタイトルなのでこれからも受賞し続けられるように、さらに上のレベルを目指したい。
▽ゴールデングラブ賞 72年にダイヤモンドグラブ賞として始まり、86年から現名称。今年で53回目となる「守備のベストナイン」表彰。選考は新聞、通信、放送各社のプロ野球担当として5年以上の経験を持つ記者による記名投票で行われる。今年の有効投票数はセが298、パが259だった。