阪神の坂本誠志郎捕手(31)が13日、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せずに残留を決め、兵庫県西宮市の球団事務所で会見した。
「私、坂本誠志郎はFA宣言せず、残留することを決めました。兵庫県出身で地元で、縁があるタイガースという球団に入り、その縁では恩があると思っていました。23年に優勝、日本一になって、今年はチームとしても、個人的にも悔しい思いをたくさんした。もう一回、やり返したい。みんなでそこを目指していきたいという思いが強くなった」
現役時代にバッテリーを組んだ藤川監督にも電話で連絡。「良かった。覚悟を持ってやっていこう」との言葉をもらった。節目の10年目を迎える来季は、新監督の下、扇の要としてV奪回を目指す。
◆以下は一問一答
―坂本選手から報告を
「私、坂本誠志郎はFA宣言をせず、行使せずに、残留することを決めました」
―残留の決め手は
「やっぱり、地元。僕は兵庫県出身で、地元で縁のあるタイガースという球団にドラフトで入りまして、その縁とか、恩があるっていうのは、思っていましたし。23年シーズン優勝して、日本一になって、去年、その思いをさせていただいて、今年、悔しい思いをして。チームとしても悔しかったですし、個人的にも悔しい思いをたくさんしたので。それをやっぱり、タイガースで、もう一回、やり返したい。もう一回、みんなでそこを目指していきたいというのも、大きな要因ではあります」
―決断までに球団からどんな話が
「必要としている、来シーズンからも力になってほしいということは、たくさんいっていただきましたし。本当に、これまで、タイガースでやってきて、金本監督、矢野監督、岡田監督に使っていただいて、いただいた権利だったので。正直、自分が野球界でどういう評価をされてて、どういう位置にいるのか、知りたいという思いは、ないことはなかったですし。そういう思いはあったんですけど。いろんな話を聞かせていただくなかで、タイガースで、すごく評価していただいたというのと、必要とされていると感じることができたので。それも、残留に至った大きな要因だと思います」
―残留を決めて藤川監督と話は
「電話で、連絡を入れさせていただいたんですけど。“良かった”と言っていただけて。でも、これから本当に一緒にやっていく中で、僕も責任があるというのを感じていますし、“覚悟を持ってやっていこう”というのをおっしゃっていただき、僕もそのつもりでいますし、それをみんなで優勝という形にしていくだけかなと思います」
―ファンの声などは
「自分の身近にいる人たちからも“どうするの?”という連絡をいただいたり、たくさんしてので。本当に気にかけていただいているんだなというのを感じましたし、そういう方々にも僕が迷っているせいで、なかなかちゃんと伝えてあげられなかったというのもありますけど、こうして残留して来年からもタイガースのユニホームを着て野球をすることになったので、しっかり野球で、グラウンドで返していけるようにしたい」
―改めて阪神とはどんな球団
「いろんなことを考えている中で、やっぱり優勝、日本一の記憶、シーンというのは自分の中でも出てきますし。甲子園球場のキャッチャーのポジションに座って、選手の中で一人だけ反対を向いて、90度だけじゃなくフィールドを見渡したときに、たくさんのタイガースファンの前で野球ができる幸せも“こんなことはないな”というふうに感じましたし、その景色をこれからも見ていきたいなという思いはやっぱり出てきた。そのポジションでその景色をずっと見ながら、みなさんに喜んでいただけるようにやっていきたい」
―来季への意気込み
「もうグラウンドでやるだけだと思う。そこでどれだけのことができるかという準備を、もうやっていましたけど、これからさらに磨きをかけてやっていきたい。本当に悔しい思いをしたので、もう1度。今年はチャンピオンとしてやりましたけど、また獲りにいく、奪い返しにいく立場になったので、これまでより一層、どん欲にやっていって。チームの中でも年齢的にも立場は上の方になるので、責任持って。今はキャンプ、みんな、頑張ってるので、いろいろ見たりしてるので、そういう選手たちと一緒にまた野球ができるという喜びも感じながら、結果で恩返ししたいと思います」