◇WBSCプレミア12 1次ラウンドB組第1戦 日本9ー3オーストラリア(2024年11月13日 バンテリンD)
侍ジャパンは13日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の1次ラウンドB組初戦のオーストラリア戦に9―3で快勝発進した。4番・森下翔太外野手(24)が8回に2点二塁打など3安打2打点3得点と躍動し、勝利に貢献。阪神選手が五輪、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、プレミア12の主要国際大会で日本代表の4番に座るのは2008年北京五輪の新井貴浩以来で、打者デビュー戦での3安打、2打点はともに森下が初となった。チームはきょう14日に移動し、15日からは台湾で1次ラウンドを戦っていく。
大舞台で強い「お祭り男」は侍ジャパンの4番でも健在だった。6―3で迎えた8回2死一、三塁だ。カウント3―1から、左中間へ2点二塁打。塁上では試合前練習のベンチで辰己、小園と考案した両手の人さし指と親指で四角をつくるポーズを笑顔で披露した。
「チャンスで打つことを求められている。ああいう場面で打てて良かった」
阪神勢では08年北京五輪の新井貴浩以来16年ぶりとなる、主要国際大会での4番出場。前日練習後は「変わらずやりたい」と自然体を強調していたが、トップチームのユニホームを身にまとうと「スタメンで名前が呼ばれた時は気が引き締まった」。そして、打線の中心で躍動した。
初回1死二塁では四球。2―0の3回1死では初球を叩いて遊撃手のグラブをはじく痛烈な内野安打を放ち、7回先頭では初球145キロ直球を左翼への二塁打とした。三進後の1死三塁から中大の2学年先輩・牧の中前打が飛び出すと、両手を叩きながら生還した。対戦した5打席全てが異なる投手。オーストラリアのマシンガン継投にも動じなかった。
「この数字が出ているなら、本戦でも大丈夫だと思います」
先月29日からの宮崎での直前合宿。フリー打撃での打球速度に手応えを得た。10月13日のCSファーストS敗退以降も適度な休養を挟みつつ動画解析を用いた理想のスイングを追い求めたことで、合宿中、ケージ横に常設された速度計は何度も170キロを計測。「ボールに力が伝わっていないと出ない数字。いい感じ」。好感触と自信をつかんで本番に入り、結果を出した。
13安打9得点の大勝発進に大貢献。「任されたからには最後まで4番でいきたい。きょうみたいにチャンスメークしながら還すというパターンで今後もやっていきたい」と言葉に力をこめた。世界に「MORISHITA」を鳴り響かせる。 (石崎 祥平)
○…森下が主要国際大会(五輪、WBC、プレミア12)で3安打2打点デビュー。阪神在籍野手の主要国際大会初出場はこれで6人目。打者デビュー戦で安打したのは04年アテネ五輪の藤本敦士=1安打、08年北京五輪の矢野輝弘=1安打、23年第5回WBCの中野=2安打に続く4人目で3安打は初めて。2打点も08年矢野の1打点を上回る最多。デビュー戦に限らない阪神選手の3安打以上、2打点以上は08年北京五輪の新井貴浩が1次リーグ韓国戦で2ランを含む3安打2打点して以来16年ぶり。
○…阪神の選手が五輪、WBC、プレミア12の主要国際大会で日本代表の4番打者を務めるのは08年北京五輪の新井貴浩以来16年ぶり2人目。新井は同大会の9試合全て4番で35打数9安打の打率・257、1本塁打7打点。星野監督率いる日本は3位決定戦で米国に敗れ、メダルを逃した。