日本ハムから戦力外通告を受けた柿木蓮投手(24)が13日、14日の12球団合同トライアウト(ZOZOマリン)参加に向けて、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で練習した。大阪桐蔭3年時にエースとして史上初の同校2度目の春夏連覇に貢献。22年オフに育成で再契約したが、支配下昇格は果たせなかった。自身で「集大成」と位置づけるマウンドで、現役続行の道をたぐり寄せる。
酸いも甘いも味わった。いや、プロ野球生活6年間は苦しい時間の方が長かったかもしれない。運命のトライアウトを翌日に控え、柿木はこれまでの野球人生を振り返るように率直な思いを語った。
「もしかしたら最後の試合になるかもしれない。自分としてもけじめではないけど、集大成という気持ちで臨みたい」
大阪桐蔭では3年時にエースとして春夏連覇に貢献も、プロではもがき苦しんだ。一時は「投げ方が分からなくなった」とフォームを見失った。直球は140キロにも満たない時もあった。吉田(現オリックス)らドラフト同期は先に1軍デビュー。プロ4年目の22年にプロ初登板を果たしたが、同年オフに1度目の戦力外通告を受け、育成で再契約となった。
今季も2軍で16試合に登板し0勝1敗、防御率2・12と猛アピールも支配下再昇格には届かなかった。先月28日に自身2度目の戦力外通告を受け、柿木は「そうですよねって。本当、覚悟はしていたので」と冷静に受け止めた。それでも「体も元気だし、シンプルにまだ野球をやりたいと思った。最後まで挑戦したい」と、トライアウト参加を決意した。
通告後も懸命に練習を続けてきた。2軍が沖縄・国頭で秋季キャンプ中は、知人が練習を手伝ったくれたこともあった。「多くの人たちが“まだやれるだろ!”と声を掛けてくれた。関わってくれた人たちのためにも、まだまだ頑張りたい」と柿木。もう一度輝きを取り戻すため、6年間の全てをマウンドにぶつける。(清藤 駿太)