プロ野球の12球団合同トライアウトが14日、ZOZOマリンスタジアムで行われ、投手、野手計45選手が参加。トライアウトはカウント0―0からのシート打撃形式で行われた。前日本ハムの柿木連投手(24)は打者2人を無安打に封じ、三振も奪うなど持ち味の制球力を見せた。
持てる力をすべて出した。前巨人・菊田を外角直球で追い込むと、最後はフォークボールで空振り三振。今季「1番・中堅」で開幕戦のスタメンにも名を連ねた前中日・三好には変化球で投球を組み立て、最後は直球で左飛に打ち取った。
登板を終えた右腕は「ホッとしました」と穏やかな笑顔。「シーズンもそうですし、今日もストライク先行でやろうと決めていたので、フォアボールもなかったし、良かったかなと思います」と振り返った。
大阪桐蔭では3年時にエースとして春夏連覇に貢献。しかしプロではもがき苦しみ、4年目の22年にようやくプロ初登板を果たした。しかし同年オフに1度目の戦力外通告を受け、育成で再契約。今季は2軍で16試合に登板し0勝1敗、防御率2・12と猛アピールしたが、支配下再昇格には届かず、先月28日に自身2度目の戦力外通告を受けた。
「悔いだけ残さないように、準備だけをしっかりやろうという気持ちで臨みました」と話した右腕。スタンドには各球団の編成担当が集結した。持ち味は出し尽くした。あとは信じて、吉報を待つ。
12球団合同トライアウトはNPB主催で2001年から開催。6月21日の日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝で存続の可否、開催方式などが話し合われた。12球団ともプロスカウト制度が定着し、トライアウトが形がい化している現状を受け、NPB主催としては今季が最後となる方向性となっている。