米データサイト「ベースボールプロスペクタス」がアストロズからFAとなった菊池雄星投手(33)をこのオフのFAランキングで11位に挙げた。先発投手では6番目となっている。
菊池の最大の長所は球威と言える。最高の投手とは、打者が打てない球をストライクゾーンに投げる投手であり、サイ・ヤング賞有力候補のタイガース、タリク・スクバルは55・3%をストライクゾーン内に投げ、18勝4敗、防御率2・39の好成績を残した。
菊池のゾーン率は51・5%、ゾーン内に投げても空振りをさせることができ、ヒットを打たれにくい。真ん中への投球も多いが、それも大きな問題にはならない。30代になってからも毎年4シームの平均球速を上げており、その球が微妙に動くため、打者はバットで球を正確に捉えることができず、空振りも多くなる。4シームの空振り率は28%で、スクバルの27・7%をも上回っている。
一方で弱点はボールが思うように動かず、調子が悪いときに大量の本塁打を浴びてしまうこと。菊池の防御率は一番良かった23年でも3・86。それ以外の年は4点台か5点台となっている。エースの球威を持っているが、一度もシーズンを通してエースらしいピッチングを続けたことがないとも言える。
獲得希望球団がそのポイントをどう判断するか。菊池は3~4年の契約を結ぶと予測されており、プロスペクタスはアストロズ、パドレス、レッドソックス、レッズを獲得候補チームに挙げている。