将棋の藤井聡太竜王(22)=王将など7冠=が佐々木勇気八段(30)を挑戦者に迎える第37期竜王戦7番勝負第4局は15日、大阪府茨木市の複合施設「おにクル」で1日目が始まり午前12時半、昼食休憩に入った。指し手は45手まで進み、先手・佐々木が敵陣へ手駒の角を打ち込み、飛車取りをかけた。
藤井が続く46手目に46分考えて昼食休憩に入ったため、午前9時の対局開始から佐々木は27分、藤井は2時間39分を消費した。28手目に32分、34手目に42分。長考派の藤井だが、2日制8時間の対局で1日目午前から2時間以上の持ち時間差ができるのは珍しい。
戦型は先手・佐々木の角換わりになった。飛車先の歩を2手ずつ伸ばしあった5手目、佐々木が角道を開けて角換わり志向を示した。相手の戦型選択を受け入れる姿勢の藤井も、角頭を守る金上がりで角換わりが決まった。
両者の対戦で角換わりは今期第1局以来。竜王戦前までは6局指してうち4局が角換わりだった。佐々木にとっては負けると後がなくなる1勝2敗で迎えた第4局。しかも第5局は後手番になる。角換わりの選択、そして昼食休憩までの研究手順に、勝利への思いを感じさせた。対して藤井は佐々木の研究手順に対応するため一手一手慎重になったとみられる。
昼食は藤井が縁家の牛タンと竜王味噌おに定食と竜王山の勝ちハーブ茶、佐々木は薔薇すし。対局は午後1時半に再開される。