大リーグの主要表彰の式典が14日(日本時間15日)、ネバダ州ラスベガスで行われ、ドジャース・大谷翔平投手(30)は傑出した打者を選出する「ハンク・アーロン賞」を2年連続、最も活躍したDHに贈られる「エドガー・マルティネス賞」を4年連続で受賞した。今季活躍した選手をファン投票などで選ぶ「オールMLBチーム」はDHとしてファーストチームに入り、一日で主要表彰3冠を獲得した。
豪華ホテルやカジノが立ち並ぶラスベガスど真ん中の会場「ザ・チェルシー」で、「Ohtani」の名前だけが3回もコールされた。5日に左肩を手術した大谷は式典には参加せずビデオ出演で「ハンク・アーロンさんにちなんだ賞を獲ることができて光栄です。投票してくれた方々に心から感謝します」と喜びを口にした。
2年連続の本塁打王(54本)と初の打点王(130打点)に加え、首位打者に4厘差の打率・310。59盗塁で史上初の「50―50(50本塁打、50盗塁)」を達成した。シルバースラッガー賞に続き、一気に3つ加えて4冠。打者の主要5大表彰の残るMVPも、選出は確実だ。ここ4年で逃したのは21、22年のアーロン賞(ブルージェイズ・ゲレロ、ヤンキース・ジャッジ)と、22年のMVP(ジャッジ)、シルバースラッガー賞(アストロズ・アルバレス)だけ。4年間で20回ある5大表彰のチャンスのうち15回の受賞となり、まさに総なめだ。
アーロン賞の両リーグでの受賞は史上初で、日本選手初だった昨年から2年連続。連続最長のアレックス・ロドリゲスの3年連続(4度)に迫った。マルティネス賞の4年連続も、最長のデービッド・オルティスの5年連続(8度)にあと1で、オールMLBのファーストチームは先発投手で選ばれた22年も含めると4年連続。2020年代は「大谷の時代」となりつつある。
MVPは21日(日本時間22日午前8時)に発表される。焦点は満票受賞なるかどうか。DH専念の今季は守備に就いておらず、マイナスに捉える見方もある。過去にDHの選手の選出はない。昨年の2度目の満票受賞で既に史上初の快挙だったが、更新する3度目の満票受賞で締めるか。栄光の受賞ラッシュは、いよいよクライマックスを迎える。
≪ア・リーグのアーロン賞はヤンキース・ジャッジ≫ア・リーグのハンク・アーロン賞はヤンキース・ジャッジが2年ぶり2度目の受賞となった。58本塁打、144打点の打撃2冠で、打率もトップと1分差の.322。大谷と同様にビデオメッセージを寄せ「とても光栄に思うし、支持してくれたファンの方々や関係者に感謝を申し上げます」と語った。ア・リーグMVPも、大谷同様に受賞が確実視されている。
▽エドガー・マルティネス賞 最も活躍したDHに贈られる賞で73年に創設。マリナーズで主にDHとして活躍したエドガー・マルティネスが引退した04年に、その功績を称えて名称が変更された。最多受賞はレッドソックスなどで活躍したデービッド・オルティスの8度、次いでマルティネスの5度。報道関係者や各球団の広報ら100人の投票で決まる。
▽ハンク・アーロン賞 アーロンが当時の通算最多記録だったベーブ・ルースの714本塁打を更新してから25年を記念し、99年に創設。30球団が推薦した候補を公式サイトの記者がア、ナ各リーグで10人に絞り、同サイトでファン投票を実施して決定。殿堂入りした元選手の選考も加味される。最多受賞はアレックス・ロドリゲスの4度。
▽オールMLBチーム 19年に創設。ファンとOB、メディア、大リーグ関係者らの投票で、ア、ナ両リーグの区別なくファースト、セカンドチームを選出する。大谷、今永以外の日本選手は20年にダルビッシュ(カブス)がファースト、前田(ツインズ)がセカンドチーム入りした。