阪神が、新外国人候補として前ダイヤモンドバックスのローガン・アレン投手(27)をリストアップしていることが15日、分かった。身長1メートル91から伸びのある直球を投げ込み、多彩な変化球も駆使する先発タイプ。獲得に成功すれば球団の助っ人では歴代最長タイの長身左腕となる。今オフ、青柳晃洋投手(30)がポスティングシステムでの大リーグ移籍を目指し、高橋遥人投手(29)も手術明けで来季開幕は白紙の状況と手薄となる先発陣の補強に動くことが確実だ。今後は、アレンをはじめとした複数の候補からの絞り込みを急ピッチで進めていく。
藤川阪神がV奪回へ向け着々と補強の準備を整えている。秋季キャンプ最終クール2日目となった前日14日、球団の国際担当が急きょ安芸入り。午後には嶌村聡球団本部長ら幹部を交えて新外国人獲得へ向けた会議を実施。現時点でのリストアップ選手の確認などが行われたもようだ。
そして、球団関係者によると先発の新外国人候補として前ダイヤモンドバックスのローガン・アレンをリストアップしていることが判明。メジャー通算45試合で5勝(11敗)ながら、19年にはメジャー全体の有望株ランキングでトップ100入りし、20年は当時所属したインディアンスの同ランキングで10位に位置づけられるなど将来を嘱望された逸材だ。
150キロ近い直球に加えて変化球はチェンジアップ、スライダー、カットボール、ツーシームと多彩に操る。マイナー通算191試合(先発134試合)で45勝35敗、防御率4.50。740回2/3で739奪三振をマーク。新加入となれば球団の助っ人左腕では歴代最高タイとなる1メートル91の長身も武器だ。ワインドアップから無駄のない投球フォームでキレ味鋭いボールを投げ込む。チームの先発陣には見当たらない「長身左腕」という点も魅力だ。
今オフは今季まで2年連続開幕投手を務めた青柳がポスティングシステムでの大リーグ挑戦を表明し、故障からシーズン途中に復帰し4勝を挙げた左腕の高橋も今月上旬に「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」を受け来季開幕に間に合うかは白紙な状況。21年から3年連続でローテーションでフル回転した伊藤将も今季は4勝に終わるなど苦しんだ。今秋ドラフトでは1位指名で即戦力左腕の伊原を獲得し、来季は高卒3年目を迎える期待の門別が控えるなど現有戦力での底上げも可能だが、助っ人の力も必要不可欠だ。
13日に嶌村本部長はビーズリー、ゲラの残留を発表した上で来季の助っ人構想に言及。「(今季の4人態勢から)5人に戻す」と明言し、新たに3人の外国人選手を補強することを示唆していた。先発、中継ぎ候補をそれぞれ1人ずつ獲得することは決定的。今後、現在はマイナーFAで獲得に支障がないアレンをはじめ複数のリストアップ選手から最終の絞り込みを進める。
◇ローガン・アレン 1997年5月23日生まれ、米フロリダ州出身の27歳。15年ドラフト8巡目(全体231番目)でレッドソックスと契約。パドレス在籍の19年6月18日に、ブルワーズ戦でメジャー初登板初先発で勝利投手。今季はダイヤモンドバックスで12試合に救援登板。1メートル91、90キロ。左投げ右打ち。
▽阪神の長身外国人投手 左投手で1メートル90超えはザラテ(11~13年)1メートル91とガルシア(19、20年)1メートル90の2人。右投手を含めると最高はリベラ(98、99年)の2メートル1。近年ではメッセンジャー(10~19年)が1メートル98。ガンケル(20~22年)が1メートル99だった。