将棋の藤井聡太竜王(22)=王将など7冠=が挑戦者に佐々木勇気八段(30)を迎えた第37期竜王戦7番勝負第4局は16日午前9時、大阪府茨木市の複合施設「おにクル」で2日目が指し継がれ、先手・佐々木が攻勢に入った。午後0時半、昼食休憩に入り80手まで進んだ。
藤井による前日の62手目封じ手は9筋への香成りだった。佐々木にとっては予想の範ちゅうだったのだろう。わずか2分の考慮で3筋へ銀取りの歩を打って攻勢に入った。
銀交換から馬を進出させ、藤井による飛車取りの角出にも、その利きを止めずに飛車を単に逃げた。その利きの先には1筋の香がある。「香を取って」との決断だが、藤井はその香を取らず自陣へ手を入れた。
取らなかったと書くより取れなかった、だろうか。攻めより守りに1手を割くしかなく、苦戦が浮き彫りになった。その後、77手目に佐々木が銀との交換で馬切り。2筋にと金をつくって昼食休憩に入った。
藤井の2勝1敗で迎え、藤井が勝てば4連覇へ王手、負ければ2勝2敗のタイとなる。昼食メニューは藤井が茨木おにカレーセット、佐々木は薔薇すし。持ち時間8時間から藤井が6時間20分、佐々木は4時間36分消費した。午後1時半に再開される。