将棋の藤井聡太竜王(22)=王将など7冠=が挑戦者に佐々木勇気八段(30)を迎える第37期竜王戦7番勝負第4局は16日、大阪府茨木市の複合施設「おにクル」で2日目が指し継がれ、先手・佐々木が97手で勝利した。
藤井が7番勝負で2敗するのは羽生善治九段(54)を挑戦者に迎え、4勝2敗で決着した22年度王将戦以来2年ぶり。また、午後3時45分の終局はタイトル戦23敗中、21年度王位戦第1局での午後3時35分につぐ自身2番目のスピード投了だった。
「早い段階から苦しくしたと思った。一方的な内容になってしまった」
勝利の可能性がある限り、策を尽くすことで劇的な逆転を生んできた藤井も観念した。1日目午前の27手目、早繰り銀を5段目へ進め、藤井陣へ圧力を加えた佐々木の新手。つまり早繰り銀から腰掛け銀の構想、さらに4筋への角打ち。2筋の藤井飛車をターゲットとし、攻めを構築する研究手順を「軽視した」ことで形勢を損ねた。
佐々木が離席した96手目を着手後、羽織を着直して投了の準備に入った。「一方的な内容になってしまった。第5局以降熱戦にできるよう、精一杯準備したい」。対戦成績2勝2敗となり、27、28日、和歌山城ホールでの第5局から改めて3番勝負となる。