第104回全国高校ラグビーフットボール大会大阪府予選の決勝が17日に東大阪市の花園ラグビー場で行われる。
大阪第1地区は、2大会連続出場を目指す関大北陽がAシードの大阪桐蔭に挑む。大阪桐蔭は今春の選抜大会を圧倒的な力で制覇。頭一つ抜けた存在で、全国的に見ても「1強」の呼び声もある“横綱”を相手に関大北陽は真っ向勝負を挑む。
関大北陽は5月の大阪総体で大阪桐蔭に0―59で完敗した。半年の期間を経てその差を埋めることができるか。昨年の花園大会を経験したフランカーの平野聖明主将(まさあき、3年)は「まずはディフェンスから流れをつかみたい。自分たちのラグビーをやり切るだけ」と闘志を燃やした。
平野主将をはじめ、昨年の花園大会を経験した選手が主要ポジションに控えるのは心強い。SH坂本蒼莞(あおい、3年)、FB丸尾拓真(3年)はともにキックも多彩でバックス陣を引っ張る。昨年はロックだった高校日本代表候補の安田快史(かいり、3年)はNo・8としてFWを支える。平野主将は「アタックでもディフェンスでも体を張れる選手が多い」と攻守で手応えを示す。
指揮を執る梶村真也監督(43)は東海大仰星(現東海大大阪仰星)の出身。1999年度の花園大会はNo・8として仰星の初優勝に貢献した一人だ。主将を務めた東海大を経てヤマハ発動機(現リーグワン静岡)で7年間プレー。卓越した技術と情熱で部の力を引き上げてきた。指揮官は「接戦で勝つのか、大敗するのか、中途半端な試合にはならない。特に試合の入りに気をつけたい。前半に相手を“アレ”っと思わせる展開に持ち込みたい」と言葉に力を込めた。
今予選は初戦だった3日の準々決勝で合同D(寝屋川、いちりつ、大手前、長尾)に136―0で大勝。10日の準決勝は60―7で日新を退けた。今季のチームスローガンは『信』。平野主将は「常に仲間を信頼し、しんどい時もチームを信じて戦う」と部の総意を代弁した。春の選抜大会を制した横綱相手に、最後まで諦めずに戦う。
▽関西大学北陽高等学校 1925年に北陽商業学校として発足。49年に北陽高等学校と改称、普通科と商業科設置。2008年に関西大学の併設校となり、校名を関西大学北陽高等学校に変更。同時に男子校から男女共学に移行した。10年に関西大学北陽中学校が開校。ラグビー部は13年創部。現在部員は72人。おもなOBは、プロ野球の阪神・岡田彰布前監督、前田日明(元格闘家)、松井繁(競艇選手)、月亭八光(落語家)、芥川賞作家でお笑い芸人の又吉直樹、お見送り芸人しんいち(お笑い芸人)ら。