◇WBSCプレミア12 1次ラウンドB組第3戦 日本3-1台湾(2024年11月16日 台北D)
【辻発彦 視点】台湾の先発・陳柏清(チン・ハクセイ)は源田の一発に面食らったと思う。初球はセーフティーバントの構えから真ん中の直球を見逃し。続く2球目、陳がスーッと投げてきたど真ん中の直球をフルスイング。スタンドまで運んだ。
西武の監督時代、こんな感じの源田のホームランは何度か見ている。ワンストライク目の直球を平然と見逃して、相手が「打たないんだな」という気持ちで投げてきたところを狙い打ちにする。中押しとなる効果的なホームラン。さすがにいい仕事をする。
源田という選手は日本代表に選出されると喜んで出ていく。強化試合の取材で顔を合わせた時、冗談で「143試合フル出場したシーズン、こんな時ぐらい休めよ」と言ったのだが、苦笑いしていた。派手な舞台で、堅実なプレーで毎回存在感を示している。守備は天下一品。スタメンでも控えとしても、ベンチとして使いやすいタイプだ。日本代表の中ではもう年配の方になってきたが、33歳になる次のWBCにも呼ばれると思っている。
ノーヒットだった辰己にもいいタイムリーが出たし、初スタメンの佐野にも1本出た。源田、紅林、坂倉の下位打線も当たっている。どこからでもチャンスをつくって、どこからでも点が取れる。井端ジャパンは今いるメンバーの中でベストな野球ができている。