第104回全国高校ラグビーフットボール大会大阪府予選の決勝が17日に東大阪市の花園ラグビー場で行われる。大阪第3地区の常翔学園は近大付と対戦する。
新生・常翔学園が2大会ぶりの花園大会出場へ好スタートを切ったのは今月3日。初戦の準々決勝で関大第一と対戦し、前後半計20トライを積み上げる猛攻で、124得点を挙げて大勝した。
緑の人工芝に濃紺のジャージーが美しく映えた。試合開始わずか45秒。常翔学園は自陣右中間から素早くパスをつなぐと、最後はWTB正脇俊輔(3年)が左ライン際を快走し、約40メートルを走り切った。左中間に飛び込む電光石火の先制トライが猛攻の号令だった。
ほぼボールを支配した前半に8トライを重ねると、後半も勢いは止まらない。開始40秒だ。FB松井成悟(3年)のトライから一気に畳みかけた。攻守で関大第一を圧倒。接点の攻防と運動量で相手の戦意をそぎ落とし、後半は前半を上回る12トライを挙げた。前半はキックオフでキャッチミスが相次いだが、大事な初戦を無失点で終えた。10日の準決勝も布施工科を圧倒。95―7で退け、危なげなく決勝へ駒を進めた。
冬の全国高校ラグビー大会で歴代3位の通算100勝を誇る西の名門。花園切符を逃した昨年11月中旬、白木繁之氏(36)が新監督に就任した。22年9月に同校初の女性監督として部を率いた前任の平池三記氏(55)が部長として、同部の監督を長く務めた野上友一氏(66)がゼネラルマネジャー(GM)として新監督を支えている。新指揮官は予選初戦の準々決勝について「監督として挑む最初の花園予選で少し緊張はありました。ただ、野上先生や平池先生が近くにいてくれますし、アドバイスを聞きながら緊張はほぐれました。特に後半は勢いがついて良いプレーも出てきました。まだ修正すべき所はありますので、次戦に切り替えたい」と振り返った。
白木監督は大工大高(現常翔学園)、大体大の出身。現役時はおもにCTBで活躍した。大阪市の中学校教員を経て16年4月に常翔学園に赴任。これまでコーチとして部を支えてきた。名門校の監督として重圧を背負うが、気負いは一切ない。「(監督は)重責ですが、荒川(博司)先生や野上先生が積み上げてきて下さった歴史があります。“明るく、素直に、ひたむきに”をモットーに、チーム作りをしています」と言葉に力を込めた。
17日の決勝では近大付と対戦する。2大会ぶりの花園切符まで、あと1勝だ。
◇白木 繁之(しらき・しげゆき)1988年(昭63)11月6日生まれ、大阪市出身の36歳。大工大高(現常翔学園)、大体大を経て2011年から大阪市立菫中で教員生活を始める。16年4月から常翔学園に赴任。保健体育科教諭。現役時代はおもにCTB。