◇RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA(2024年11月17日 愛知・ポートメッセなごや第1展示館)
メインイベントのRIZIN MMAルール・フェザー級(66.0キロ)5分3Rは、約1年ぶりの復帰戦となった前RIZIN同級王者のヴガール・ケラモフ(32=アゼルバイジャン)が、摩嶋一整(33=毛利道場)に1R28秒でTKO勝ちした。
ケラモフは昨年11月4日に母国アゼルバイジャンで行われた「RIZIN LANDMARK 7」で鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)にKO負けしてフェザー級王座から陥落した。今年2月24日の「RIZIN LANDMARK 8」(佐賀)では摩嶋と対戦する予定だったが、鈴木戦が行われた会場で起きたトラブルが原因で出国できず、試合は流れていた。
疑惑が晴れ、満を持して臨んだ復帰戦。「過去最高のケラモフを見せられる」という言葉は本当だった。1R、リーチで5センチ上回るケラモフが放った右フックは的確に摩嶋の顔面にヒット。大きく吹っ飛ばした。すぐにハーフガードになると、鉄槌(てっつい)の連打。レフェリーが試合を止め、自身のキャリアの中で最速の決着となった。
リング上では「私がどれだけ日本を愛しているかご存じですか?RIZINで戦うことを心から願っていた。それが実現した」とまずは復帰できた喜びを語った。見据えているのはフェザー級王座に返り咲くこと。「鈴木選手、もう1回戦いましょう」と叫んだ。
鈴木は大みそかの「RIZIN DECADE」(さいたまスーパーアリーナ)でクレベル・コイケ(ブラジル)とのタイトルマッチが控えている。この試合でどちらが勝つにせよ、ケラモフは次期挑戦者の有力候補の一人となった。U-NEXTなどでのライブ配信で解説を務めた“世界のTK”高阪剛氏(54)は「伸びるんですよね、あの手が」と攻撃力が増したケラモフに驚嘆していた。
セミファイナルの女子スーパーアトム級(49.0キロ)ノンタイトル戦では、約2年2カ月ぶりの復帰戦となった前RIZIN同級王者の浜崎朱加(42=AACC)が元ROAD FC同級王者のシン・ユリ(30=韓国)に2R1分15秒、アームバーで一本勝ち。MMA3戦目となった芦澤竜誠(29=フリー)は61.0キロ契約の一戦で、初代ライト級キング・オブ・パンクラシストの昇侍(41=KIBAマーシャルアーツクラブ)に2R1分5秒、膝蹴りからの連打でTKO勝ちした。